PC部品の温度と寿命の関係-周辺温度が部品の寿命を左右する


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 ■■      ■             ■      豆知識  Vol.01-01
■  ■     ■             ■ ■    温度と寿命の関係編
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=============================================================2003.10.21=========
【温度と寿命の関係】

物の信頼性や寿命はそれを構成する部品の寿命の積になります。 2つの部品が組み合わ
されば同じ信頼性/寿命であれば、それは1/2になるという事になりますので、シンプル
・イズ・ベストというのは電気製品にもあてはまるのです。
複雑な製品では、信頼性を高める為に部品やユニットの二重化をして対応しています。
処がこれも曲者で同じ空間に押し込もうとすると、どうしても部品の小型化、高密度配置
をせざるを得ず、単体としての信頼性・寿命を落としているものも少なくありません。

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あるメーカーの宣伝でアレクサンドリアの図書館に保管されたパピルスに記録された情報
の消滅と現在のストレージ製品を比較し、現在の技術を誇るかのものがありましたが、
あれは大嘘といっても過言ではありません。 現在のデジタル記録は紙や羊皮紙に書かれ
た文字記録に比べれば比較のしようがない位不安定かつ短命なものです。 デジタル記録
の優位性は、同じ空間に遙かに多くの記録を行う事が出来る事と短時間で情報を分析・
検索・処理出来る事であって、長期保管に関する信頼性や安定性ではないのです。
特に長期保存性については全く保証はないといっても過言ではありません。
アプリケーションで作成したファイルについては長期にわたるそのファイルフォーマット
の互換性保証すらありませんし、記録保管した媒体自体を読めるドライブが無くなる
可能性も非常に高い訳ですから。 長期にわたり保管するデータは常に新しい媒体に複製
を作り続けなければならないのです。 この維持管理に掛かるコストは半端なものでは
なくなってくるでしょう。

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さて、部品の寿命に最も大きく作用する要素はなにかといえば周囲温度です。 皆さんが
お使いのPCを構成する部品の中にはその寿命を周囲温度により大きく変えるものが沢山
使われています。 まずはコンデンサ、特に電解コンデンサと呼ばれる物です。
これはPCの心臓である電源ユニットの中や基板上の回路の動作定数を決める部分、
電源安定化を図らなければならない部分など最も重要な部分に使われています。
次はモーターで冷却ファン/ディスク/CD/DVDのスピンドルモーター等に使われます。
最後に半導体、これも集積度が上がり、半端ではない発熱をするようになっています。
最近のPCでは電源の冷却だけでなく、CPU、グラフィック・コントローラにもファン
が付く様になっていますね。

では温度と部品寿命の関係は

a) 電解コンデンサ   これには「アレニウスの法則」というのがあり、
             温度が10℃上がるとと寿命は1/2になるという
             ものです。

b) モーター      寿命を左右する要素はベアリングに使われる潤滑油の
             劣化が温度が高ければそれだけ早く進む事とパーツの
             熱膨張に伴うクリアランス変化がこれを加速する為と
             考えられます。
             山洋電気のファンモーターの資料によれば15℃UP
             で寿命は1/2になるとされています。
             また、Seagate の資料ではHDDのMTBF
             (平均故障時間)は周囲温度25℃の時で23万時間
              (8.5年)になるとしています。

c) 半導体       機械動作や蒸散を伴わず封止してあますので、機械的
             劣化を伴う部分はありません。 先の2部品に比較
             すれば寿命は遙かに長く、定格内では20~50年
             程度は持つと思われます。
             只、オーバークロックなどを使うと動作電圧を上げ
             ますのでマイグレーションが進み中の配線が断線する
             などの損傷を受ける可能性がでてきます。

といった処です。

最近のPCは顧客が音に煩くなった為ファンレスになっているものを見受けます。
この種の物は熱については限界設計されて電源負荷になるオプションの追加は厳禁で
しょう。
一番気になるのはHDDですが、4~5時間使ってからカバーを開け、HDDに触って
ほんのり暖かいレベルであれば大丈夫でしょうが、アチッという状態であれば熱対策は
必須です。 どうにかしてHDDに直接風を当てる工夫をせねばなりません。
一般的なHDD等の不良率は0.03~8位なので普通の使用環境でも100台PCが
あれば、1年に1~2台の障害が出ても何の不思議はありません。

以上の様に不安定なデジタルデータの保管には常に異なるドライブ・媒体への
バックアップが不可欠なのです。 ユーザーの責任において!!

最近信頼性向上の為にRAID1/5を使うケースが増えていますが、これは決して
機械的信頼度を上げるものではありません。 異常が発生した際に、異常をリカバリー
する時間を与えてくれるだけのものと考えて下さい。 常に異常の発生を監視する
体制と、直ちにリカバリー出来るだけのパーツと手順を前もって用意していなければ
宝の持ち腐れとなってしまいます。 これらの管理をアウトソーシングするケースも
多い様ですが、物がある現場にある程度の処置能力がなければ、多重化以外は余り意味が
ないとも言えます。

RAID5では2台のドライブが動作不能とならない限り外見上異常がないかの様に動作
します。 もし、ドライブが原因で停止した場合、不良となったドライブ双方をセット
したままでは絶対に再起動しない事です。 正常なドライブと最後に動作不能となった
ドライブとの組合せでなければ、正常な再構築は行われず、データは破壊されてしまい
ます。

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※本記事は、A1データ株式会社の前身、株式会社ワイ・イー・データ時代に執筆・記載されたコラムです。