便利なDOSコマンドプロンプトの使い方
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■■ ■ ■ 豆知識 Vol.03-11
■ ■ ■ ■ ■ 便利なDOSコマンド編
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=============================================================2005.11.25=========
今月はXPで使えるちょっと便利なDOSコマンドをご紹介しましょう。
Windowsには「コマンドプロンプト」というDOSコマンドを実行するための
小窓が用意されています。 これを使用する事でOSに実装されている、DOS内部
コマンドや外部コマンドを使い、ファイルのコピーやネットワークの接続確認等を
行う事が出来ます。
【コマンドプロンプトの使い方】
[スタート]-[プログラム]-[アクセサリ]-[コマンドプロンプト]をクリックすると、
コマンドプロンプトと言う名称の付いた小窓がデスクトップ上に開きます。
通常、
C:Documents and Settingsログオン・ユーザー名>
の後にあるカーソルが点滅した状態になります。
【操作の基本】
OSの基本部に近い部分で動作しますので、Windows上では通常出来ない事が
出来る代わりに、操作を間違うと簡単にファイル構造を壊す危険性もありますので、
ファイルやディレクトリを操作するコマンドを使用する場合は、細心の注意を払って
下さい。
- 操作の基本 ・ カーソルが表示される行頭に示される C:以降> までが
“カレント・ディレクトリ”=現在選択されている実行
可能ディレクトリになります。 明示的に処理の対象を
指定しない場合は、ここが基準となる事を忘れないで
下さい。
・ コマンドの使い方が分からなくなったら DIR /? の様に
コマンドの後に“/?”を付けてコマンドを実行すると、
コマンドの記述法と各パラメータの意味が表示されます。
・ コマンドプロンプトは全てライン操作ですので、ボトム
にあるカーソル位置で操作する事を忘れないでください。
・ 表示されているテキストをコピーしたい場合は
*コマンドプロンプト画面上でマウスを右クリックします。
*ダイアログが表示されますので“範囲指定”をクリック
します。
*マウスでコピーしたい先頭文字位置を左クリックし、最終
文字位置までドラッグして放し、Enterキーを叩くと
選択範囲がクリップボードにコピーされます。
*これを開いておいたテキストエディタに貼り付ければ
操作内容等を取り込む事が出来ます。
・ ファイル名をはじめ、記述したパラメータは左側が入力側
右側が出力側が基本です。
・ ロング・ネームで操作する場合は、ファイル名は必ず
ダブル・クォーテーション・マーク " " で囲んで下さい。
囲まなくても動作することも多々ありますが、複数の
ファイル名やパラメータを記述する場合、問題を起こす
リスクがありますので、癖を付けておく方が良いでしょう。
・ カレント・ディレクトリがショート名称(後に~が付く)に
変わったら、内部のディレクトリ制御がショート名称に
切り替わった、言い換えると何らかの異常が起きている
ことが考えられますので、コマンドプロンプト窓の左上の
アイコンをクリックし、一度コマンドプロンプトを終了
した方が良いでしょう。
【使えるコマンド達】
1. ネットワーク編
1-1. 自身のPCに関するネットワーク情報の取得
>IPCONFIG /ALL
このコマンドを実行すると、自身のPC名称、参加しているドメイン名称、
Network アダプター種別、Macアドレス、IPアドレス、HDCP
サーバー、DNSサーバーのアドレスが取得出来ます。
Description に PPP Adaptorという表示があれば、
Modem Interfaceを持つ事を意味します。
1-2. ドメインに参加しているコンピュータ一覧の取得
>net view
このコマンドを実行すると、エクスプローラのMicrosoft Windows Network
以下に表示されるネットワークに接続されているPCの一覧に相当する
サーバー名、注釈が表示されます。
1-3. 相手方のPCのIPアドレス及びMacアドレスの取得
>ping [相手ホスト名称]
1-2.で表示されたリストからターゲットホストの名称を拾い、この名称で
pingコマンドを実行すると、ターゲットホストのIPアドレスとその
PC迄の到達時間を知る事が出来ます。 もし、Macアドレスを知る必要が
あれば、pingコマンド実行直後に
>arp -a
を実行すると、自己のPCにキャッシュされている接続先のIPアドレスと
そのMacアドレスが表示されます。 その中にあるpingコマンドで
示された相手のIPアドレスを探せば、そのMacアドレスが取得出来ます。
1-4. ネットワーク接続経路の確認
>tracert [相手ホスト名称]
このコマンドを実行すると、相手先に到達する迄経由するIPアドレスを
有する機器の名称とホスト名称を拾う事が出来ます。ホスト名称が不要で
あれば、相手ホスト名称の前に -d オプションを付けます。
2. ファイル操作編
2-1. 目的のディレクトリへの移動
ファイルの操作を行うには、原則としてソース側ファイルのディレクトリに
移動して行う方が安全でしょう。 コマンドプロンプト配下ではカレント
ディレクトリはドライブ毎に管理されています。 これを切り換える方法は
>CD ドライブ名: 指定したドライブのカレント・ディレクトリに移動
>CD パス名 指定したパスにカレント・ディレクトリを変える。
* ドライブのルートに移動する >CD
* 1段上のフォルダに移動する >CD .. これを重ねるとその数だけ
上の層になる。
* 1段下のフォルダに移動する >CD [フォルダ名]
* 同層のフォルダに移動する >CD ..[フォルダ名]
例えば 現在のカレントディレクトリが
C:Program Files
D:Backup
で、C: が選択されているとします。
ここから同層の Documents and Settings に移動するには
①
>CD
>CD "Documents and Settings"
②
>CD
>CD "Documents and Settings"
③
>CD "..Documents and Settings"
のいずれかを行います。
>CD "..Documents and Settings12345"
とすれば、12345 というプロファイル(フォルダ)に直接移動できます。
>D:
とすればカレント・ドライブがD:に変わりますので、コマンドラインは
D:Backup> に変わります。
2-2. ディレクトリの表示
DIRコマンドは指定したディレクトリに含まれるサブディレクトリ及び
ファイルの一覧を表示します。 引数にはディレクトリを示す、[パス名]、
特定のファイルを示す、[ファイル名]が使えます。
* [パス名]だけが指定された場合は、パス名をディレクトリと見なし、その
配下の全てのファイルを表示します。
* [ファイル名]だけが指定された場合は、カレント・ディレクトリ内の
ファイル名が合致したものだけを表示します。 ファイル名にはワイルド・
カードが使用出来る。 例えば、"DIC*.jpg"と指定するとファイル名の
先頭3桁がDICとなっているカレント・ディレクトリ内の全てのファイルが
表示されます。
* [パス名]、[ファイル名]の両方を指定した場合は、指定されたパス名配下の
ファイル名が合致したものを表示します。 ワイルド・カードを使用する事
も可能です。
* [パス名]、[ファイル名]双方を省略した場合は、カレント・ディレクトリ配下
の全てのファイルを表示します。
使用出来るパラメータには、属性、並べ替え順等があります。 /? で確認
してみてください。
2-3. ファイルの複製
COPYコマンドは指定されたファイルを指定されたファイル名で複製する為の
コマンドです。
同一フォルダ内でのファイル複製の一般的な記述は
>COPY File1.dat target1.dat
これはFile1.datをTarget1.datという名前のファイルと
して複製する事を意味します。
ファイルの複製の方法を指定するパラメータには
/A ASCコピー
/B バイナリー・コピー の2つがあります。
/A をソース側、このモードではファイル中にEOF(End of File)が出現すると
その時点でコピーを終了します。 また、出力側に /A が指定された場合には
全てのデータを書き出した後、最後にEOFを追加します。
/B はファイルをバイナリー・モードで扱うという宣言で、これが指定された
場合は、すべてのデータはバイナリーとして扱われ、制御コードのチェックや
付加が行われません。 通常は、入力側をソックリそのまま複製する事が目的
ですので、
>COPY /B ・・・として使用する癖をつけた方が良いでしょう。
このパラメータはソース側、ターゲット側個別に付ける事が出来ます。
ソース側の前につけた場合は、ターゲット側に指定は引き継がれます。
後に付けた場合は、そのファイルだけに採用されます。
複数のファイルを結合する場合は、
>COPY /B File1.dat +File2.dat +File3.dat Target1.dat
という様に結合するファイルの前に"+"を付加します。 通常、この操作は
テキストファイルの結合に使用します。 しかし、Windowsにはクリップ
ボードというものがあり、これを使って簡単に複数のファイルをまとめる事が
出来ますので、ほとんど使う事もなくなりましたが。。。
2-4. ファイルの削除
DELコマンドは存在するファイルを削除する為のコマンドです。
パス名を指定した場合、その配下のファイル全てを削除しますが、ディレクトリ
自体は削除されません。
ファイル名を指定した場合は、指定されたファイルだけを削除します。
注意しなければならないのは、Windowsの様にゴミ箱は存在しませんから
削除するとOSの機能の範囲では回収出来ない点です。
ここではDOSパス名/ファイル名が使用出来ますので、場合によっては、
Windows上では削除出来ないファイルを削除出来る事があります。
2-5. フォルダの削除
RDコマンドは指定されたディレクトリを削除する為のコマンドです。
パラメータとしては削除するディレクトリ1つだけを記述します。
/S 指定されたディレクトリ配下の全てのファイルとディレクトリを
削除します。
ここではDOSパス名/ファイル名が使用出来ますので、場合によっては、
Windows上では削除出来ないファイルやディレクトリを削除出来る
事があります。
現状ではこれ位が、一般のPCユーザーが使用出来る範囲でしょう。 これ等以外は
OS自体や、DOS、BIOSについての知識を有する方以外は近づかない方が無難
です。
FD用にDISKCOPYといったコマンドやFDISKやCHKDSK等の
フォーマット/ディスクチェック用のコマンドもありますが、XPにはGUIで
これらの機能が提供されていますのでこちらを使用して下さい。
以上
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A1Data RecoveryServices--
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※本記事は、A1データ株式会社の前身、株式会社ワイ・イー・データ時代に執筆・記載されたコラムです。