データ復旧の料金相場はいくら?費用を抑える方法と選び方のポイントを解説

  • データ復旧専門業者の料金相場を知りたい
  • データ復旧サービスの料金はどのような条件で変わるの?
  • 信頼できるデータ復旧専門業者に依頼したい

データ復旧サービスの料金相場を知ることは優良なデータ復旧専門業者を選ぶうえで欠かせない知識の一つです。料金相場に関する知識がない状態でデータ復旧専門業者を選ぶと高額請求や情報漏洩の被害に遭う可能性があります。

この記事では信頼できるデータ復旧専門業者の選び方と料金相場、悪質な業者の手口をわかりやすく解説します。記事を読めば高額請求する悪質な業者を避けて、適正価格のデータ復旧専門業者を選ぶことが可能です。

データ復旧専門業者を選ぶ際は、料金相場を基準に実績やセキュリティ対策など総合的に比較検討してから決定しましょう。

A1データ株式会社 代表取締役社長 本田 正
監修者

A1データ株式会社 代表取締役社長
本田 正

1994年に日本で最初にデータ復旧サービス事業を創設したA1データ株式会社の代表取締役社長。
データ復旧の権威として一般社団法人 日本データ復旧協会の初代会長に就任。現在は理事となり、日本のデータ復旧業界健全化に努めている。

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当社A1データは日本で初めてデータ復旧サービスを提供した会社です。データ復旧業界で最も古い業界の長だからこそ、業界のすべての会社の特徴やその会社の実態を把握しています。お客様の壊れた機器の症状と損傷具合から、適切な費用がどの程度でどの業者なら治せるのかをアドバイス致します。

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データ復旧サービスの料金相場

データ復旧サービスの料金相場をチェックする際のイメージ画像

データ復旧サービスの費用は故障の程度やメディアの種類によって大きく異なります。目安としてデータ復旧サービスの料金相場(※1)を確認し、業者選びの際に役立てましょう。

※1 本記事で掲載しているデータ復旧サービスの料金相場は、一般社団法人日本データ復旧協会(DRAJ)に加盟している各社の公式サイトに掲載された内容を参考にしています(2022年7月時点)。

初期調査・初期診断にかかる初期費用

データ復旧サービスでは、復旧作業に入る前に故障したメディアの状態を確認する「初期調査・初期診断」を行うことが一般的です。初期調査や初期診断にかかる費用は以下のとおりです。

業者初期調査・初期診断料金見積もり
A社(メーカー)無料無料
B社(メーカー)無料無料
C社(専門業者)無料無料

多くの業者では初期調査・初期診断を無料で受けられ、復旧費用の見積もりも無料で取得できることが一般的です。「どれくらい費用がかかるのか不安」という場合でも、無料対応を明記している業者であれば安心して相談できます。

パソコンのHDD(外付け・内蔵)など大容量メディアのデータ復旧費用

HDDなどの大容量メディアにおけるデータ復旧費用は、自社製品かどうか(メーカー製か否か)、障害の程度によって変わります。データ復旧費用の目安は以下のとおりです。

業者料金目安(HDD1台当たり※税込)
A社(メーカー)・自社製品33,000~132,000円
・他社製品44,000~143,000円
自社・他社製品いずれも重度障害の場合は別途見積もり
B社(メーカー)33,000~132,000円
自社・他社製品いずれも同料金。重度障害の場合は別途見積もり
C社(専門業者)29,700円~
容量、台数、障害の種類などによって変動

データ復旧サービスでは障害の状態を「軽度」「中度」「重度」に分類しており、分類基準は業者によって異なります。一般的な障害の分類基準は以下のとおりです。

  • 軽度:論理障害にあたるケースでの軽微なOS障害やファイルシステムの破損・損失など
  • 中度:データの初期化や削除などの論理障害や軽微な物理障害
  • 重度:高度な解析を必要とする論理障害やHDDの開封作業を伴う物理障害

HDDの障害の分類によって必要な作業内容や難易度が異なるため、データ復旧サービスの料金も変動します。

USBメモリー・SDカードのデータ復旧費用

頼りがいのあるデータ復旧専門業者のイメージ画像

USBメモリーやSDカードのデータ復旧費用は、自社製品かどうかや障害の程度によって変動します。一般的なUSBメモリー、SDカードの復旧費用の目安は以下のとおりです。

業者料金目安(税込)
A社(メーカー)・自社製品33,000~66,000円
・他社製品38,500~71,500円
自社・他社製品いずれも中度の物理障害、重度障害の場合は別途見積もり
B社(メーカー)27,500~49,500円
重度の障害の場合は別途見積もり
C社(専門業者)33,000円~
メディア容量によって変動

USBメモリーやSDカードの復旧料金はメーカーやデータ復旧専門業者によって幅があります。しかし、いずれの場合も障害の程度(論理障害・物理障害)や復旧対象データの容量が費用に大きく影響します。

メーカー修理の場合は「保証期間内であってもデータ復旧は保証対象外」とされることが多いため注意が必要です。メーカー修理では本体交換までが保証範囲となり、データは戻らないケースが一般的です。

一方、データ復旧専門業者に依頼すると費用はやや高めになる場合がありますが、メーカーでは対応できない重度な障害(※2)にも対応できます。

※2 基板の損傷やフラッシュメモリチップ障害など。

CD・DVD・MOディスク・ブルーレイディスクなど小容量メディアのデータ復旧費用

小容量メディアのデータ復旧費用においても、自社製品かどうかや障害の程度などによって必要な費用が変わってきます。CDやDVD、MOディスク、ブルーレイディスクなど小容量メディアのデータ復旧費用の目安は以下のとおりです。

業者料金目安(税込)
A社(メーカー)・自社製品33,000~49,500円
・他社製品38,500~55,000円
自社・他社製品いずれも軽度・中度の論理障害の場合。
重度および物理障害の場合は別途見積もり
B社(メーカー)27,500円
中度・重度の障害の場合は別途見積もり
C社(専門業者)44,000~66,000円
メディアの種類によって変動

小容量メディアの復旧費用は一見すると低めに感じられます。しかし、ディスクの物理的な傷や経年劣化が原因となる場合は復旧の難易度が高く、費用が高額になる場合があるため注意が必要です。特に光学ディスクは一度破損すると読み取りが難しく、復旧率が安定しにくくなります。

以下のような一部の小規模メディアは、メーカーでの対応ができない場合もあるため注意しましょう。

  • すでに製造終了しているMOディスク
  • 特殊フォーマットのブルーレイ

しかし、メーカーで対応できない小容量メディアの復旧ノウハウは、データ復旧専門業者が保有している場合があります。データ復旧の相談先を選ぶ際は「対応可能なメディアの種類」を必ず確認しましょう。

携帯電話・スマートフォンのデータ復旧費用

データ復旧専門業者にデータ復旧を依頼する多様なスマートフォン

携帯電話会社が公式に提供しているサービスを利用すると、携帯電話やスマートフォンのデータ復旧も可能な場合があります。主要な携帯電話会社3社のデータ復旧サービスの概要を紹介します(2025年8月現在)。

NTTドコモ:ケータイデータ復旧サービス

NTTドコモが提供する「ケータイデータ復旧サービス」は、水ぬれや破損などで操作できなくなった携帯電話からデータを取り出すサービスです。補償サービス区分と料金をまとめた表は以下のとおりです。

補償サービス区分料金(税込)(※3)
smartあんしん補償/ケータイ補償サービス(2019年6月1日以降加入)1,100円
ケータイ補償サービス for iPhone & iPad(月額418円コース)2,200円
ケータイ補償お届けサービス、または補償サービス未加入機種16,500円

※3 データを取り出せなかった場合は費用がかかりません。ただし、一部のみ復旧できた場合でも「復旧成功」とみなされ、費用が発生する点には注意が必要です。

ケータイデータ復旧サービスの申し込みは24時間オンラインから可能なほか、ドコモショップやd gardenでも受け付けています。ケータイデータ復旧サービスの復旧データの受け取り方法は以下のとおりです。

  • 専用アプリによるネット受取
  • DVD-Rでのショップ受取
  • GoogleクラウドやiCloudへの同期(ドコモmini/irumo/ahamo契約者向け)

ケータイデータ復旧サービスで復旧できるデータは以下のとおりです。

  • 画像・動画
  • 電話帳(iCloud利用時も対応可)
  • ドコモメール(ローカル保存分)/spモードメール

ただし、機種やOS、受け取り方法によっては復旧できないデータもあります。
» docomo「ケータイデータ復旧サービス」(外部サイト)

au:auスマートサポート

auの「auスマートサポート」は、auスマホ・auタブレットを利用する個人向けの会員制サポートサービスです。

auスマートサポートには「データ復旧サービスご優待」が含まれています。万一データを喪失した場合でも、AIデータ株式会社が提供するデータ復旧サービスを、通常料金の20%OFFで利用可能(※4)です。
» au「データ復旧サービスご紹介:auスマートサポート」(外部サイト)

auスマートサポートの料金を以下の表にまとめました。

auスマホ・auタブレットの利用期間料金(税込)
ご加入月3,300円
2~3か月目無料
4か月目以降418円/月

auスマートサポートは、au契約10年目以上の方の加入月3,300円(税込)が1回無料になります。auスマートサポートへの加入はKDDIお客さまセンターへの電話、またはau Style/auショップで可能です。

auのデータ復旧サービスを利用する際は、会員証に記載されている「専任チーム専用番号」に連絡する必要があります。

※4 iPhone・iPadは対象外となります。

ソフトバンク:メモリーデータ復旧サポート

ソフトバンクの「メモリーデータ復旧サポート」は電源が入らない携帯電話やタブレットからデータを復旧し、新しい機種へ移行できるサービス(※5)です。対応できる故障原因は水ぬれと水没・破損です。メモリーデータ復旧サポートにかかる料金を以下の表にまとめました。

条件料金(税込)
データ復旧に成功した場合5,500円
一部でもデータが取り出せた場合(成功とみなす)5,500円
「あんしん保証パック」加入者無料

※5 原則、データ回復用として同一機種を用意する必要があります。復旧作業では端末を分解するため、預けた端末は返却されず廃棄処分となります。申し込み後のキャンセルは不可であり、復旧データの正確性も保証されません。サービスは端末の修理ではなく「データ復旧」を目的としています。

申し込みはソフトバンクショップで受け付けており、およそ1週間端末を預けることになります。端末を預けている間は代替機の貸し出しも可能です(タブレットは対象外)。

メモリーデータ復旧サポートで復旧できるデータは機種や組み合わせによって異なります。iPhoneの場合は電話帳や静止画、メールなどが対象です。スマートフォンやケータイの場合は電話帳のみのケースが大半です。着うたやゲームなどのダウンロードデータ、おサイフケータイ®データなどは対象外となります(※6)。
» SoftBank「水ぬれ・水没・破損した携帯電話からほかの携帯電話にデータを移行する/メモリーデータ復旧サポート」(外部サイト)

※6 iPadや一部のスマホ・ケータイ機種は対象外です。

データ復旧サービスを選ぶ際のポイント7選

データ復旧専門業者を選ぶ際のポイントを教える女性のイメージ画像

データ復旧サービスを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

  • 口コミや評判を確認してからデータ復旧専門業者を選ぶ
  • 復旧実績が高いデータ復旧専門業者を選ぶ
  • 対応が丁寧なデータ復旧専門業者を選ぶ
  • 初期診断が無料のデータ復旧専門業者を選ぶ
  • 成果報酬型の料金体系のデータ復旧専門業者を選ぶ
  • クリーンルームを保有しているデータ復旧専門業者を選ぶ
  • セキュリティの意識が高いデータ復旧専門業者を選ぶ

口コミや評判を確認してからデータ復旧専門業者を選ぶ

データ復旧専門業者を選ぶ際は実際にサービスを利用した人の口コミや評判を確認しましょう。データ復旧専門業者の公式サイトだけではサービスの質を見極めることが困難だからです。

第三者による客観的な評価は、データ復旧専門業者が本当に信頼できるかを判断するうえで大きなポイントになります。料金の安さだけでなくデータ復旧作業を行う環境や作業後のアフターフォローがしっかりしているかなども確認しましょう。さまざまな視点から評価すれば後悔のないデータ復旧専門業者選びが可能です。

復旧実績が高いデータ復旧専門業者を選ぶ

ノートパソコン

データ復旧専門業者を選ぶうえでは復旧実績が多数あることも重要です。さまざまな故障に対応してきた実績があるデータ復旧専門業者は難しい症状でもデータを復旧できる可能性が高いからです。

データ復旧専門業者の公式サイトでは以下のポイントも確認しましょう。

  • 具体的な復旧件数を公開している
  • 創業から長く多くの経験を積んでいる
  • HDDだけでなくSSDやサーバーなど幅広い記憶媒体に対応している
  • 官公庁や大企業といった信頼性が求められる依頼の実績がある
  • 他の業者で「復旧できない」と言われた難しい故障の成功事例を載せている

復旧実績が多数あるデータ復旧専門業者を見つければ、HDDやUSBといった記憶媒体のデータ復旧の成功率が高まります。

対応が丁寧なデータ復旧専門業者を選ぶ

データ復旧を依頼する際は依頼者に寄り添ってくれるデータ復旧専門業者を選びましょう。説明が不十分だったり、質問にきちんと答えなかったりするデータ復旧専門業者は、作業もずさんである可能性があります。

対応が丁寧な復旧専門業者は、詳細なヒアリングを行ったうえで進捗状況を報告してくれます。作業後のアフターフォローが充実していることも対応が丁寧なデータ復旧専門業者の特徴です。

問い合わせの段階からコミュニケーションを大切にするデータ復旧専門業者を選べば、安心してデータ復旧を任せられます。

初期診断が無料のデータ復旧専門業者を選ぶ

データ復旧の料金を案内する女性

データ復旧専門業者を選ぶ際は初期診断を無料で行っている業者がおすすめです。正式に依頼する前に、お金をかけずに記憶媒体の状態やデータが復元する可能性がわかるため、安心して依頼できます。

故障個所の特定と初期診断が無料の場合は以下のようなメリットがあります。

  • 故障要因と見積もりの確認ができる
  • 複数の業者から相見積もりを取れる
  • キャンセル時の診断料が不要である

上記のメリットにより、無駄な出費を抑えながらデータ復旧専門業者を検討できます。ただし、診断は無料でも作業後のキャンセル料や送料が別途発生する場合があるため事前の確認が必要です。

成果報酬型の料金体系のデータ復旧専門業者を選ぶ

データ復旧専門業者に依頼する際、料金体系は必ずチェックしておきたいポイントの一つです。料金体系によって支払い金額が相場よりも高くなる場合があります

データ復旧専門業者を選ぶ場合は「成果報酬型」を採用している業者をおすすめします。成果報酬型の場合は、万が一大切なデータを復元できなくても作業料金だけを支払う必要がなくなるためです。成果報酬型とは「データの復旧が成功した場合にのみ料金が発生する仕組み」です。

成果報酬型の料金体系は、データ復旧専門業者が自社の技術力に自信を持っていることを示す指標の一つです。依頼者にとって信頼性を判断する材料になります。

クリーンルームを保有しているデータ復旧専門業者を選ぶ

データ復旧専門業者のクリーンルームのイメージ画像

物理的な故障が疑われるHDDのデータ復旧は、クリーンルームを保有しているデータ復旧専門業者に依頼しましょう。HDDの内部は精密に作られており、クリーンルームのような清潔な環境でなければ開封できないためです。

HDDは精密機器であるため、内部にほこりなどが大量に侵入するとデータを読み取りにくくなる可能性があります。以下のような物理的な故障の場合は、データ復旧専門業者による診断やデータ復旧作業が必要になるケースがあります。

  • 「カチカチ」といった異音がする
  • HDDを落としてしまった
  • HDDが水にぬれてしまった

クリーンルームがない環境でHDDを開封してしまうと、データを記録している円盤(プラッタ)に傷が付いてしまいます。最悪の場合HDDのデータが完全に失われることもあります。データ復旧専門業者を選ぶ際は公式サイトにクリーンルームの有無や設備の写真が掲載されているかを確認しましょう。

セキュリティの意識が高いデータ復旧専門業者を選ぶ

HDDやUSBメモリーなどの記憶媒体のデータ復旧は、セキュリティ対策が万全なデータ復旧専門業者への依頼がおすすめです。HDDやUSBメモリーなどの記憶媒体には個人情報や会社の機密情報などが含まれているケースが多いためです。

もしデータが流出してしまうと、信頼の喪失や経済的損失などの深刻なトラブルに発展する恐れがあります。データ復旧専門業者を選ぶ際は、公式サイトでセキュリティ認証の有無や記憶媒体の取り扱いルールなどを確認しましょう。

特に官公庁や大企業との取引実績は厳しいセキュリティ基準をクリアしている証拠になるので、 データ復旧専門業者の信頼性を判断するうえで役立ちます。
» おすすめのデータ復旧専門業者10選を解説!

データ復旧サービスの料金を相場付近に抑える方法3選

データ復旧の料金相場を計算するための電卓

データ復旧サービスは高額になる場合がありますが、適切な方法で料金を相場付近に抑えることが可能です。データ復旧サービスの料金を抑える方法は以下のとおりです。

  • 異常を察知したらすぐに電源を切る
  • 納期に余裕を持って依頼する
  • 複数のデータ復旧専門業者に見積もりを依頼する

異常を察知したらすぐに電源を切る

記憶媒体に何らかの異常を感じたらすぐに電源を切りましょう。電源を入れたままにすると記憶媒体の状態がさらに悪化する危険があるからです。症状が悪化すればデータを取り出す作業が難しくなり、復旧にかかる費用も高くなる傾向にあります。

HDDやSSDなどの記憶媒体に異常がある場合、通電を続けると以下のような問題が発生するリスクがあります。

  • 【HDDの場合】壊れた部品によりデータ記録面の円盤が傷つき、物理的な損傷が拡大する
  • 【HDD/SSD共通】OSが自動修復を試み、かえって状態が悪化する
  • 【HDD/SSD共通】誤って削除したデータに新しい情報が上書きされ、復旧が困難になる

記憶媒体に異常を感じた時点ですぐに通電をやめれば、最終的な修理費用を抑えられる可能性があります。

納期に余裕を持って依頼する

データ復旧の納期を表したカレンダー

データ復旧専門業者に依頼する際は、納期に余裕を持たせると費用を安く抑えられます。急ぎの対応ではない分データ復旧専門業者は作業のスケジュールを調整しやすくなり、人件費などのコストも抑えられるからです。

余裕を持って依頼すると割引プランが適用されたり、交換部品の費用が安くなったりする可能性があります。納期に余裕があればデータ復旧専門業者が焦らずに復旧作業を行えるため、データ復旧の成功率も向上します。

複数のデータ復旧専門業者に見積もりを依頼する

記憶媒体のデータ復旧の料金を相場付近に抑えたい場合は、複数のデータ復旧専門業者に見積もりを依頼しましょう。1社だけの見積もりでは提示された金額の見極めが難しいためです。複数のデータ復旧専門業者から見積もりを取れば、料金だけでなくサービス内容も客観的に比較できます。

複数のデータ復旧専門業者に見積もりを依頼すると、データ復旧作業の適正な料金相場がわかります。技術力や対応の速さ、セキュリティ対策といった費用以外の要素も比較可能です。

少し手間はかかりますが、複数のデータ復旧専門業者を比較検討すれば安心して任せられる業者を見つけられます。

悪質なデータ復旧サービスによるトラブル事例3選

データ復旧のトラブルのイメージ画像

データ復旧専門業者には優良な業者だけでなく悪質な業者も存在します。実際に起こった悪質なデータ復旧サービスによるトラブル事例を3つ紹介します。

  • 見積もりと請求金額が大きく異なる
  • 依頼者の情報を横流しされる
  • 復旧に失敗して症状が悪化する

見積もりと請求金額が大きく異なる

最初の見積もりと最終的な請求金額が大きく異なるケースは、悪質なデータ復旧専門業者との間でよくあるトラブルの一つです。最初は安い料金を提示して顧客の関心を引き、ハードディスクを預かった後で相場を上回る高額な料金を請求する手口です。

データ復旧専門業者は以下のような手口で高額な支払いを求めてくることがあります。

  • 高額な後出し見積もり
  • 不当なキャンセル料の要求
  • 作業中の追加料金の上乗せ
  • 故障内容の誇張報告
  • データの返却拒否

データ復旧専門業者に見積もりを依頼する際は、追加料金が発生する条件やキャンセル料について事前にしっかりと確認しましょう。

依頼者の情報を横流しされる

困っている男性

悪質なデータ復旧専門業者に依頼すると、記憶媒体に保存された個人情報や会社の重要な情報が外部に漏洩する危険性があります。データ復旧専門業者によっては記憶媒体から抜き取った情報を名簿業者に売却したり、インターネット上に公開したりするためです。

悪質な業者によって氏名や連絡先が売られる、会社の顧客リストが漏洩するなどのリスクがあることも知っておきましょう。

情報の横流しは個人のプライバシー侵害だけでなく、会社の信用を失うことにもつながる深刻な問題です。

復旧に失敗して症状が悪化する

悪質なデータ復旧専門業者に依頼すると復旧に失敗するだけでなく、記憶媒体の状態がさらに悪化する危険があります。記憶媒体の状態がさらに悪化する理由は、専門的な知識や専用の設備がない悪質な業者が不適切な方法で作業を進めてしまうからです。

記憶媒体はデリケートな装置なので、わずかなミスが致命的な損傷につながることがあります。最初は軽度の故障だったものが、間違った処置によって重度の故障となり、データが二度と取り出せなくなる場合があるからです。

後から技術力の高い優良なデータ復旧専門業者に依頼しても、一度作業に失敗した記憶媒体は復旧できる可能性が著しく低くなります。
» 一般社団法人日本データ復旧協会「被害事例の一覧」(外部サイト)

データ復旧サービスの料金相場に関するよくある質問

データ復旧サービスの料金相場に関するよくある質問のイメージ画像

データ復旧サービスの料金相場に関するよくある質問を以下にまとめました。

  • データ復旧にかかる時間はどれくらい?
  • 追加料金が発生する場合はある?
  • データ復旧が成功する確率はどれくらい?

データ復旧にかかる時間はどれくらい?

データ復旧にかかる時間は記憶媒体の状態によって大きく変わります。簡単なトラブルであれば最短即日で完了することもありますが、事態が深刻な場合は1週間以上かかることもあります。データ復旧にかかる時間が変わる理由は、記憶媒体の故障の原因によって作業内容や難易度が異なるためです。

間違えてファイルを削除した場合とHDD本体から異音がする場合とでは、復旧に必要な手順が異なります。ファイルの誤削除や初期化(フォーマット)の場合は即日から数日程度でデータを取り出せる可能性があります。

水ぬれや異音がするといった物理的な故障では、分解作業や部品の交換が必要になる傾向です。物理的な故障の修復作業には専門の設備が必要になるため、数日から数週間かかることがあります。

正確な時間を知りたい場合はデータ復旧専門業者に初期診断を依頼し、記憶媒体の状態を詳しく調べてもらいましょう。データ復旧専門業者によっては、優先的に作業を進めてくれるプランを用意していることもあります。

追加料金が発生する場合はある?

?が示された紙

データ復旧サービスでは最初の見積もり金額以外に追加料金がかかることがあります。記憶媒体の状態や依頼する内容によっては特別な作業や部品が必要になるためです。

データ復旧作業によっては以下の追加料金が発生する可能性があります。

  • 特急料金
  • 部品代
  • 追加作業費
  • 特殊な記憶媒体の復旧費用
  • データ保存媒体代
  • キャンセル料
  • 送料

データ復旧を依頼する前に、どのような場合に追加料金がかかるかをデータ復旧専門業者に確認しましょう。

データ復旧が成功する確率はどれくらい?

データ復旧の成功率は記憶媒体の故障の種類や損傷具合によって大きく変わります。故障の種類や損傷具合によって復旧の難易度が異なるからです。記憶媒体の故障はプログラム上の問題である「論理障害」と部品が壊れてしまう「物理障害」の2つに分けられます。

HDDやSSDの論理障害では比較的成功率が高く、データ復旧専門業者に依頼すれば高確率でデータの復旧が可能です。一方で物理障害では部品の損傷が原因であるため、論理障害よりも成功率が下がります。SSDの場合は、フラッシュメモリチップやコントローラーの物理的な故障により復旧が難しくなることがあります。

データ復旧サービスを使うときは料金相場を意識して選ぼう

パソコンとコーヒーカップとスマートフォン

データ復旧サービスを利用する際は信頼できる業者を選びつつ料金を相場付近に抑える工夫が必要です。データ復旧サービスの料金を抑えるには以下の方法を実践しましょう。

  • 異常を察知したらすぐに電源を切る
  • 納期に余裕を持って依頼する
  • 複数のデータ復旧専門業者に見積もりを依頼する

複数の見積もりを依頼した結果、あまりにも安価な価格を提示するデータ復旧業者は、以下の観点から注意が必要です。

  • 後から追加費用が発生する
  • 数をこなすために媒体の取り扱いが雑になっている
  • 顧客への対応が雑になっている

大切なデータを確実に取り戻すために、料金の安さだけで判断せずに料金相場や信頼性、実績を総合的に比較検討しましょう。