外付けHDDをMacが認識しないときの原因6選と正しい対処法8選を解説!
Macに外付けHDDを接続したのに認識されないトラブルは突然起こります。大切な写真や重要なデータにアクセスできなくなると、焦ってしまう方が多いことも事実です。この記事ではMacが外付けHDDを認識しない原因や自分で試せる対処法、データ復旧時の注意点を詳しく解説します。
記事を読めばMacが外付けHDDを認識しない場合でもケーブルの交換やFirst Aidで簡易的な修復を行えます。Macが外付けHDDを認識しない原因を「HDDの故障」や「OSの不具合」などに切り分けて、冷静に判断することが重要です。
自分で解決できない場合でもデータ復旧サービスに依頼する選択肢もあるため、不具合の原因や故障の範囲で判断しましょう。
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Macが外付けHDDを認識しない原因6選

Macが外付けHDDを認識しない場合、考えられる主な原因は以下の6つです。
- ケーブルの挿し込み不良や断線
- 電源供給の問題
- ソフトウエアやOSの問題
- 外付けHDDの故障
- 経年劣化による不具合
- フォーマット形式の不一致
ケーブルの挿し込み不良や断線
ケーブルや接続部分に問題があると、Macが外付けHDDを認識しない場合があります。長期間同じケーブルを使っていたり頻繁にケーブルの抜き差しをしていたりする場合は注意が必要です。ケーブルの劣化や接触不良が原因でMacが外付けHDDを認識しないこともあります。
ケーブル端子のほこりや汚れ、差し込み不足もMacが外付けHDDを認識しない原因の一つです。ケーブルの見た目には問題がなくても内部で断線が起きている場合、別のケーブルに交換すると簡単に解決できます。Macが外付けHDDを認識しないときはケーブルや接続ポートの状態を丁寧に確認しましょう。
電源供給の問題

外付けHDDはMacへの接続時に内部のディスクを回転させるため、安定した電力供給が欠かせません。電力供給が不足すると、外付けHDDをMacに接続しても認識されなくなります。電力不足が起こる原因は以下のとおりです。
- USBポートからの電力不足
- USBハブの電力分散
- ACアダプターの接続不良・故障
- ケーブルの断線
- 非純正ACアダプターの使用
- USBポートの劣化・故障
特に3.5インチHDDや高回転数のHDD、古いHDDは電力不足によりMacが認識しないケースがよくあります。2.5インチのポータブルHDDでも、USBポートの劣化や複数デバイスの同時接続により電力供給が不足する場合があります。
ソフトウエアやOSの問題
外付けHDDが認識されない場合、HDD本体ではなくMac側のソフトウエアやOSが原因である場合があります。macOSのアップデート直後やシステム設定の変更後は特に注意が必要です。Macと外付けHDDとの互換性が一時的に崩れ、正しく認識されなくなる場合があります。
システムファイルの破損や他のソフトウエアとの相性もMacが外付けHDDを認識しない一因です。システム内部で一時的なエラーが起きている場合もMacが外付けHDDを認識しなくなります。Macが外付けHDDを認識しないときはハードの故障以外に、ソフト面の不具合を疑うことも必要です。
外付けHDDの故障

Macが外付けHDDを認識しない原因として、物理的な故障が考えられます。外付けHDDは精密機器であるため、内部のディスクやヘッドが損傷するとMac側で正常に読み込めなくなる場合があります。落下や強い振動、長期間の連続使用は外付けHDDの故障リスクを高める大きな要因です。
外付けHDDが故障すると「カチカチ」と異音がしたり、回転音が異常に大きくなったりします。外付けHDDをMacに接続してもデータにアクセスできない場合、物理的な故障が疑われます。故障した外付けHDDの操作を無理に続けると状態が悪化し、大切なデータを失うリスクが高まるため注意しましょう。
» HDDのデータを復旧する3つの方法と注意点を解説!
経年劣化による不具合
外付けHDDは使用年数が長くなると内部のモーターや電子回路などが劣化してトラブルが起きやすくなります。外付けHDDの経年劣化によって発生する不具合は以下のとおりです。
- 読み込みが極端に遅くなる
- 途中でアクセスが途切れる
- 一度認識してもすぐに認識しなくなる
外付けHDDは3〜5年で寿命を迎えることが多く、不具合が発生しやすくなります。日頃から定期的にバックアップを取り、異常を感じた時点で新しい外付けHDDへデータを移行しましょう。
» HDDは何年使える?寿命を伸ばす方法4選!
フォーマット形式の不一致
外付けHDDは購入時点で製品ごとに異なる形式でフォーマットされています。Windows向けのフォーマットはNTFS形式です。FAT32やexFAT形式はWindowsとMacの両方で使用することが可能です。
NTFS形式でフォーマットされた外付けHDDはMacで読み込みできますが、標準機能では書き込みはできません。Macに接続した外付けHDDがどの形式であるかは「ディスクユーティリティ」で確認が可能です。
フォーマット形式が一致しない場合、外付けHDDをMacに接続しても「初期化が必要です」といったメッセージが表示されます。フォーマット形式の不一致は外付けHDD本体の故障ではなく、フォーマットの互換性の問題です。
Macが外付けHDDを認識しないときの対処法8選

Macが外付けHDDを認識しないときは、以下の8つの対処法を試してみてください。
- セーフモードで起動する
- Finderの環境設定を確認する
- ディスクユーティリティを使用する
- First Aidで簡易修復を行う
- fsckコマンドでディスク修復を行う
- フォーマット(初期化)を実行する
- データ復旧ソフトを使用する
- データ復旧サービスを利用する
セーフモードで起動する
Macをセーフモードで起動すると外付けHDDが認識されない原因がソフトウエア関連かハードウェア関連かを切り分けられます。不要なキャッシュや不具合のあるソフトを一時的に無効化するセーフモードなら外付けHDDを正常に認識できる可能性があります。Macをセーフモードで起動する方法は以下のとおりです。
- Intelチップを搭載したMac
- Macの電源を入れた直後に「Shift」キーを押し続け、ログインウィンドウが表示されたら離します。
- Appleシリコンを搭載したMac
- Macの電源を完全に切り「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで電源ボタンを押し続けます。
起動ディスクを選択したら「Shift」キーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックしてください。
Macをセーフモードで起動したら、ログインウィンドウの右上に「セーフブート」と表示されていることを確認しましょう。セーフモードでもMacが外付けHDDを認識しないときは、HDD本体や接続ケーブルに物理的な問題があると考えられます。
Finderの環境設定を確認する

Macが外付けHDDを認識しないように見えても、Finderの環境設定で「非表示」になっているだけのケースがあります。以下の手順でFinderの環境設定を確認・変更してください。
- Mac画面左上のメニューバーから「Finder」を選ぶ
- 「設定…」をクリックする
- 「一般」タブの外部ディスクにチェックを入れる
- 「サイドバー」タブの外部ディスクにチェックが入っているか確認する
Finderの環境設定を変更したら、デスクトップとFinderのサイドバーに外付けHDDのアイコンが表示されるかを確認しましょう。
ディスクユーティリティを使用する
Macに標準搭載されている「ディスクユーティリティ」で外付けHDDが物理的に認識されているかを確認できます。ディスクユーティリティはMacアプリケーション内の「ユーティリティ」フォルダにあります。ディスクユーティリティを開いたら、左側のリストに外付けHDDの名前が表示されているか確認しましょう。
» Appleサポート「ディスクユーティリティでMacのストレージデバイスを修復する方法」(外部サイト)
外付けHDDの名前が灰色で表示されている場合、画面上部の「マウント(※)」をクリックしてください。外付けHDDの名前が一覧に表示されない場合は物理的な故障やUSBケーブル・ポートの問題などの原因が考えられます。
※マウントとは、外付けHDDをMacのシステムに認識させてファイルの読み書きができる状態にする操作のことです。
First Aidで簡易修復を行う

First Aidは外付けHDDのエラーを自動でチェックして修復する機能です。外付けHDDのエラーが軽度であれば、First Aidを使って解決できる場合があります。First Aidを実行する手順は以下のとおりです。
- ディスクユーティリティを開く
- 対象の外付けHDDを選ぶ
- 「First Aid」をクリックする
処理が始まると自動的にHDDのエラーの検証と修復が行われ、完了後に結果が表示されます。完了後に「ディスクは修復されました」と表示されたら、再度マウントして外付けHDDが認識されるかを確認しましょう。First Aidは軽度の問題を対象としているため、外付けHDDの物理的な破損には対応できない点に注意してください。
fsckコマンドでディスク修復を行う
「fsckコマンド」とはファイルシステムの検査・修復を行うためのコマンドです。First AidでもMacが外付けHDDを認識しない問題が解決しない場合は、fsckコマンドが有効なケースがあります。外付けHDDに対するfsckコマンドの使い方は以下のとおりです。
- ターミナルを起動する
- 「diskutil list」コマンドで修復対象の外付けHDDの識別子を確認する
- 「diskutil unmount /dev/disk識別子」で対象ディスクをアンマウントする
- 「/sbin/fsck -fy /dev/disk識別子」と入力して実行する
- 修復完了後「diskutil mount /dev/disk識別子」で再マウントする
外付けHDDのファイルシステムに問題が検出された場合、軽微なエラーであれば自動修復されます。ただし、ほとんどのエラーは手動での修復作業が必要です。macOSの場合、修復完了後に「The volume appears to be OK」と表示されれば正常です。
なお、fsckコマンドはシングルユーザーモードでの実行が必要になる場合があり、ファイルシステムの種類によってコマンドが異なります。HFS+の場合は「/sbin/fsck_hfs -fy /dev/disk識別子」のように入力してください。
操作を誤るとデータが消失するリスクもあるため、自信がない場合や難しいと感じる場合は、無理に自分で試さず専門業者に相談することをおすすめします。
フォーマット(初期化)を実行する

フォーマットを実行すると外付けHDD内のデータが消去され、Macに適した形式に整えられます。Macで外付けHDDのフォーマットを行う手順は以下のとおりです。
- ユーティリティフォルダから「ディスクユーティリティ」を起動する
- 画面左側の一覧から初期化したい外付けHDDを選択する
- フォーマット形式と方式を選び「消去」ボタンを押す
フォーマット形式を「Mac OS拡張(Journaled)」に設定すれば、Mac環境で安定してHDDを利用できます。フォーマットを行うとHDD内のデータはすべて消去されるため、事前にバックアップを取っておくことがおすすめです。
データ復旧ソフトを使用する
外付けHDDの不具合が軽度であれば、データ復旧ソフトでデータを取り戻せる可能性があります。Mac対応のデータ復旧ソフトは「EaseUS Data Recovery Wizard」や「Disk Drill」が一般的です。データ復旧ソフトをインストール後に対象ディスクを選び、スキャンすることで復旧可能なファイルを確認できます。
復旧したデータを不具合のあるHDDとは別の場所に保存すると、再びデータを失う心配がなくなります。データ復旧ソフトは初期段階のトラブル解決には役立ちますが、物理的な外付けHDDの故障には対応できない点に注意しましょう。
データ復旧サービスを利用する
データ復旧ソフトを使ってもMacが外付けHDDを認識しない場合や物理的な故障が疑われる場合は、データ復旧サービスへの依頼が最も確実です。データ復旧サービスでは専門の技術者がクリーンルームなどで作業を行うため、データを復旧できる可能性が高まります。
外付けHDDをMacに接続した際に異音や異臭がするときは、データ復旧サービスに相談しましょう。データ復旧サービスは落下や水ぬれなどの外付けHDD本体の故障や、重度のデータ破損にも対応可能です。
Macが外付けHDDを認識しないときの注意点

Macが外付けHDDを認識しないときは以下の点に注意が必要です。
- 通電を続けない
- 再起動を繰り返さない
- 自分で分解や修理を行わない
単純な接続問題の場合はケーブルの確認や電源の入れ直し、Macの再起動などの基本的な対処法を先に試しましょう。
通電を続けない
Macが外付けHDDを認識しないときに避けるべき行動の一つが通電を続けることです。外付けHDDに通電を続けると内部の精密なパーツが損傷し、データ復旧の可能性が低くなってしまいます。外付けHDDをMacに接続するたびに異音がしたり、何度もマウントに失敗したりする場合はすぐに使用を中止しましょう。
異音がする状態で無理に通電を続けると、HDDの記録面が傷ついてデータの損失につながります。
再起動を繰り返さない

何度も再起動を繰り返すとHDDやシステムに余計な負荷がかかり、状況が悪化する可能性があります。外付けHDDの内部で障害が発生している場合、再起動のたびに読み込みが行われてディスクにさらにダメージが加わります。
物理的な故障が疑われるHDDを搭載したパソコンを再起動すると、損傷が拡大するリスクがある点に注意が必要です。故障した状態で再起動を繰り返すとHDDの物理的な損傷が進行し、データ復旧の成功率が大きく下がります。
自分で分解や修理を行わない
Macが外付けHDDを認識しない場合でも自分で分解や修理を行うことは避けてください。専門知識や専用設備なしで外付けHDDを分解すると、内部の精密な部品を傷つけて状態を悪化させてしまいます。ほこりの侵入や部品の破損によって物理的な故障が進行し、最悪の場合は業者でもデータを復旧できなくなります。
Macや外付けHDDの異常を感じたら電源を切って使用を中止しましょう。
» HDDを修理する方法は?故障の症状や注意点を解説!
Macが外付けHDDを認識しなくても落ち着こう

Macが外付けHDDを認識しないときは、慌てずに落ち着いて原因を確認しましょう。ケーブルの不具合や電源供給不足、OSの不具合などトラブルの原因は多岐にわたります。必ずしもHDD本体の故障とは限らないため、この記事で紹介した対処法を順に試してみてください。
Macが外付けHDDを認識しないときに無理に通電を続けたり再起動を繰り返したりすると、HDD自体が損傷する恐れがあります。外付けHDDの物理的な故障が疑われる場合は、早めにデータ復旧サービスに相談することが賢明です。