【保存版】HDDが認識しないときの3つの原因と今すぐ試せる対処法を解説
- 突然HDDが認識しなくなり焦っている
- HDDの大切なデータが消えてしまうのではないかと不安
- HDDが認識しないときに自分でできる対処法があるなら試してみたい
パソコンに接続したHDDが認識しないと、大切なデータにアクセスできません。誤った対処法により症状を悪化させ、HDD内のデータを完全に失う危険性もあります。
この記事ではHDDが認識しない原因と、自分で試せる基本的な対処法から高度な対処法までを網羅的に解説します。記事を読めばHDDが認識しない現状を正しく把握し、HDD内のデータを守りながら復旧の可能性を高めることが可能です。
HDDが認識しない場合、まずはケーブルの確認など簡単な対処法から試すことが重要です。簡単な対処法で解決しない場合やHDDから異音がする場合は、データ復旧専門業者に相談しましょう。
HDDが認識しないときの基本的な対処法3選

HDDが認識しないときの基本的な対処法は以下の3つです。
- ケーブルやアダプターの接続を確認する
- パソコンを再起動してみる
- 別のポートやパソコンに接続する
HDDが認識しないときはデータ復旧専門業者への相談を検討する前に、まずは基本的なチェックポイントを確認しましょう。
ケーブルやアダプターの接続を確認する
HDDが認識しない場合、まずはケーブルやアダプターの接続を確認することが大切です。接続の緩みやケーブルの故障といった単純な問題が、HDDの認識不良を引き起こしている可能性があるからです。
HDDが認識しない場合は、ケーブルやアダプターについて以下の点を確認してください。
- HDDとパソコンをつなぐケーブルが奥まで入っているか
- 外付けHDDの電源アダプターがコンセントに接続されているか
- ケーブルが折れ曲がったり、接続部分が壊れたりしていないか
HDDが認識しない場合は予備のケーブルや電源アダプターに交換して接続を試す方法も有効です。
パソコンを再起動してみる

パソコンを再起動すると認識しなかったHDDが使えるようになることがあります。一時的なシステムの不具合が原因である場合、再起動で問題が解決できるためです。
パソコンの再起動によって以下の効果が期待できます。
- OSやメモリの状態がリフレッシュされる
- 起動中のプログラムがリセットされる
- HDDの情報が正しく読み込まれる
ただし、HDDから異音が聞こえるときは再起動を中止してください。異音はHDDの部品が壊れているサインであり、再起動で状態が悪化する恐れがあります。
別のポートやパソコンに接続する
別のポートやパソコンに接続するとHDDを認識しない原因を切り分けられます。接続ポートやパソコン自体に一時的な不具合が起きている可能性も考えられるためです。
以下のチェックポイントにしたがって、HDDを認識しない原因を調べてみましょう。
- USBハブを介さずに直接接続する
- デスクトップパソコンの場合は背面のポートを使う
- 別のパソコンに接続してみる
別のパソコンでHDDが認識されれば、元のパソコンに問題があると考えられます。
HDDが認識しないときの高度な対処法6選

Windowsの標準機能を使った高度な対処法を6つ紹介します。
- ドライバを更新または再インストールする
- デバイスマネージャーでHDDを確認する
- ドライブ文字(ドライブレター)を変更する
- BIOS/UEFI設定を確認・変更する
- Windowsのトラブルシューティングツールを使用する
- chkdskコマンドでディスクの修復を試みる
ドライバを更新または再インストールする
HDDが認識しない問題はドライバの更新や再インストールで解決できる場合があります。ドライバが古くなっていたり、うまく動かなくなっていたりすると、HDDを認識できなくなるからです。
ドライバの更新は以下の手順で進めてください。
- WindowsキーとXキーを同時に押す
- メニューから「ディスクの管理」を選ぶ
- 対象のHDDが表示されているかを確認する
ドライバを更新してもHDDが認識されない場合は、ドライバの再インストールを試してみましょう。ドライバの再インストールの手順は以下のとおりです。
- デバイスマネージャーを開く
- 「ディスクドライブ」から問題のあるHDDを右クリックする
- 「デバイスのアンインストール」を選択する
- パソコンを再起動する
再起動をしてもWindowsの標準ドライバが認識されない場合は、メーカー公式サイトから適切なドライバを手動で操作してください。HDD自体の物理的な故障が原因であれば、診断ツールでHDDの健康状態を確認しましょう。
デバイスマネージャーでHDDを確認する

基本的な対処法で解決しない場合は、デバイスマネージャーを使用してHDDの状態を確認してください。デバイスマネージャーでHDDの状態を確認する手順は以下のとおりです。
- WindowsキーとXキーを同時に押す
- メニューから「デバイスマネージャー」を選ぶ
- 「ディスクドライブ」の左側にある三角マークをクリックする
- 接続しているHDDの名前が表示されているかを確認する
HDDの名前の横に表示されるアイコンの種類によって取るべき対応が異なります。アイコンの状態に合わせて、以下の対応を試してみてください。
- 「↓」マークが表示されている
- HDDが無効になっています。HDDの名前の上で右クリックして「デバイスを有効にする」を選んでください。
- 「!」や「?」マークが表示されている
- HDDを動かすためのドライバに問題があります。HDDの名前の上で右クリックして「ドライバの更新」を試してください。
- 一覧にHDDが表示されない
- パソコンがHDDをうまく見つけられていません。画面上部の「操作」メニューから「ハードウェア変更のスキャン」を選び、HDDが認識されるか確認してください。
ドライブ文字(ドライブレター)を変更する
HDDに割り当てられたドライブ文字を新しいものに変更すると、認識されない問題が解決する場合があります。他のデバイスとドライブ文字が競合していたり、OSによる割り当てが正常に行われなかったりする問題を解消できるためです。ただし、ドライブがシステムに認識されていることが前提となります。
Windowsパソコンでドライブ文字を変更する手順は以下のとおりです。
- WindowsキーとRキーを同時に押す
- 「diskmgmt.msc」と入力し「OK」を押す
- 「ディスクの管理」で認識しないHDDを探して右クリックする
- メニューから「ドライブ文字とパスの変更」を選ぶ
- 「追加」または「変更」ボタンを押す
- 「次のドライブ文字を割り当てる」を選ぶ
- 使われていないアルファベットを選択して「OK」を押す
ドライブ文字の変更が終わったらエクスプローラーを開いて、HDDが新しく設定した名前で表示されているかを確認してください。
BIOS/UEFI設定を確認・変更する

BIOS/UEFIの設定を確認すると、HDDが認識しない原因の特定に役立つ場合があります。BIOS/UEFIはパソコンの土台となるプログラムです。BIOS/UEFIでHDDが認識されていなければWindows上でも表示されません。
BIOS設定を確認・変更する手順は以下のとおりです。
- パソコンを再起動してメーカーのロゴ画面で指定のキーを押す(※)
- 設定画面で「Boot」や「Storage」などの項目を探す
- 問題のHDDのモデル名が表示されているか確認する
HDDがBIOS/UEFI画面で認識されていない場合は、物理的な接続不良や故障、BIOS設定の問題の可能性が高いと判断できます。BIOS/UEFIで認識されているのにWindowsのエクスプローラーにHDDが表示されないときは、以下の設定を見直しましょう。
- 起動の優先順位(Boot Priority)
- OS(Windows)などが入っているドライブが一番上に設定されているか
- SATAポートの状態
- HDDを接続しているポートが無効(Disabled)になっていないか
設定が間違っていたら正しく変更し、変更後は必ず設定を保存(Save and Exit)して終了してください。設定を保存した後に、パソコンを再起動してHDDが認識されているかを確認しましょう。
※ 指定のキーはお使いのメーカー説明書で確認してください。
Windowsのトラブルシューティングツールを使用する
Windowsの標準機能であるトラブルシューティングツールを使うと、一部のハードウェア問題を解決できることがあります。トラブルシューティングツールはパソコンの設定や接続されている機器に問題がないかを自動で調べる機能です。
Windowsのトラブルシューティングツールは以下の手順で実行できます。
- 「設定」画面を開く
- 「更新とセキュリティ」(Windows10)か「システム」(Windows11)を選ぶ
- 「トラブルシューティング」へ進む
- 「その他のトラブルシューティングツール」をクリックする
- 利用可能なトラブルシューティングツールから該当するものを選択する
- 「トラブルシューティングツールの実行」をクリックする
Windows 10(2018年以降のバージョン)の設定画面では、HDDが認識しない問題に対応するツールが削除されています。Windows 10(2018年以降のバージョン)では、コマンドプロンプトから「msdt.exe -id DeviceDiagnostic」を実行してください。
chkdskコマンドでディスク修復を試みる

chkdskコマンドでディスク修復を試みると、HDDが正しく認識される可能性があります。Windowsに標準搭載されているchkdskコマンドはHDDのファイルシステムの論理的なエラーを修復できる機能です。
chkdskコマンドでディスク修復を試みる際には以下の手順で進めてください。
- コマンドプロンプトを管理者として実行する
- 「chkdsk [ドライブ文字]: /r」と入力する
「/r」というオプションを付けると、読み込めなくなった領域からのデータ回復も試みることが可能です。
ただし、chkdskを実行するとデータ構造が変更されるため、専門業者によるデータ復旧が難しい場合があります。データの復旧が最優先である場合にはchkdskコマンドの使用は避けましょう。chkdskコマンド使用は処理の完了に長時間かかるため、途中で中断するとデータ破損のリスクが高い点に注意が必要です。
HDDが認識しない状況が続くならデータ復旧専門業者に問い合わせしよう

対処法を試してもHDDが認識しない場合は、データ復旧専門業者へ相談することが最も安全かつ確実な手段です。自分で対応が難しい深刻な故障であっても、専門技術を持つデータ復旧専門業者であれば重要なデータを復旧できる可能性があります。
データ復旧専門業者はクリーンルームなど特殊な環境での作業や、異音が発生しているHDDへの高度な対応が可能です。多くのデータ復旧専門業者が初期診断を無料で提供しています。
業務に直結する重要なデータを取り扱う場合は、HDDの状態を悪化させる前にデータ復旧専門業者に相談することを強くおすすめします。
» おすすめのデータ復旧専門業者10選を解説!
HDDが認識しない原因3選

HDDが認識されない原因は大きく3つに分類されます。
- 物理障害:HDD内部の部品や構造が破損している状態
- 論理障害:データやファイル構造に異常がある状態
- 接続不良や設定ミス:ケーブル・ポートの不具合やPC設定の誤り
物理障害:HDD内部の部品や構造が破損している状態
物理障害とはHDD本体にある部品や構造が物理的に壊れている状態です。落下による衝撃や長年の使用による劣化、水ぬれなどが原因でHDDの物理障害が起こります。
物理障害が疑われるHDDには主に以下のような症状が見られます。
- カチカチ・ガリガリなどの異音がする
- 焦げ臭い・異常な臭いがする
- 電源を入れても動作しない、回転音がしない
物理障害が疑われる症状が出ている場合、通電を続けるだけでHDDの状態が悪化する危険性があるため注意が必要です。
論理障害:データやファイル構造に異常がある状態

論理障害とはHDD本体の部品は壊れていないのに、中のデータを管理する仕組みや構造に問題が起きている状態です。データの住所録にあたるファイルシステムやパーティション情報などの構造定義部分、実際のファイル領域の破損も論理障害に含まれます。
HDDの論理障害は主に以下がきっかけで発生します。
- ファイル・フォルダの誤削除
- データ保存中の強制終了
- ウイルス感染
- OSファイルの破損
論理障害が起きると「フォーマットする必要があります」というメッセージが表示されたり、ファイル名が文字化けしたりする症状が現れます。
接続不良や設定ミス:ケーブル・ポートの不具合やPC設定の誤り
接続不良や設定ミスといった単純な見落としが原因で、HDDが認識されないことがあります。HDDが認識されない原因として、以下のような接続不良や設定ミスが考えられます。
- ケーブルの接続不良
- ケーブルの劣化・断線
- USBポートの故障
- 電力不足
- 省電力設定
- パソコンの管理設定
HDD本体の故障を疑う前に、まずは接続しているケーブルやパソコンの設定を確認しましょう。
HDDが認識しない場合の注意点4選

HDD内の大切なデータを守るためには以下の4つの注意点を押さえる必要があります。
- 何度も再起動を繰り返さない
- 物理的に衝撃を与えない
- すぐにフォーマットしない
- データ復旧ソフトの使用に注意する
何度も再起動を繰り返さない
HDDが認識しないときに何度も再起動を繰り返すことは避けるべきです。HDDの状態をさらに悪化させ、大切なデータを完全に失う危険性が高まります。
故障が疑われるHDDに対してパソコンの再起動や電源のオン/オフを繰り返すと、以下の問題が起こる恐れがあります。
- 内部の部品がデータの記録面に傷をつけてしまう
- 動かすたびに問題が悪化して深刻な故障につながる
- パソコンの自動修復機能によりデータが破損・上書きされる
- 故障しかけている電子部品に通電することで部品の寿命が縮まる
何度も電源をオン/オフする行為はHDD内のデータ復旧をより困難にするため注意が必要です。
物理的に衝撃を与えない

HDDに物理的な衝撃を与えることは避けてください。HDDはデリケートな精密機器であり、わずかな衝撃でも致命的な故障につながる恐れがあります。
一度付いた傷からデータを復旧させることは困難です。HDDの状態を悪化させないためにも、以下の行為は避けてください。
- HDD本体を叩く
- HDDを強く揺さぶる
- HDDを高い場所から落とす
HDDから異音が聞こえる場合は、内部で部品が接触している可能性が高いため危険です。データを守るためにはすぐにHDDの電源を切り、動かさないようにすることが重要です。
» HDDは何年使える?寿命を伸ばす方法
すぐにフォーマットしない
HDDをパソコンに接続した際「フォーマットしますか?」というメッセージが表示されても、絶対に実行しないでください。フォーマットはHDDの中身を消去する「初期化作業」であるためです。
一度フォーマットを実行するとデータを取り出すための情報が失われ、HDDの復旧が困難になります。データ復旧専門業者による復旧の可能性は残されていますが、成功率は大幅に低下し、費用も高額になる可能性があります。
フォーマットは中のデータが不要で、HDDを再び使えるようにしたい場合の最終手段です。HDD内に重要なデータが残っている場合は絶対にフォーマットの操作を行わないようにしましょう。
データ復旧ソフトの使用に注意する
HDDが認識しない場合でも、データ復旧ソフトを安易に使うことは避けるべきです。データ復旧ソフトの使用には以下のリスクがあります。
- 誤使用によりデータを取り戻せなくなる危険がある
- ソフトを動かすことでHDDの状態を悪化させる可能性がある
- 物理的な故障が疑われる場合、HDDの損傷につながる恐れがある
- 「データの上書き」により、復旧の可能性が下がる
無料のソフトの中にはウイルスに感染させたり、個人情報を盗み出したりする悪質なものも存在します。データ復旧ソフトを使う前に危険性をよく理解しておくことが大切です。
HDDが認識しないときは正しい対応でデータを守りながら復旧を目指そう

HDDが認識しない場合は、慌てずに冷静な対応をすることがデータ保護の鍵となります。誤った操作はHDDの状態を悪化させる危険性があるため、まずはケーブル確認や再起動など低リスクな方法から試しましょう。
HDDに異音や異臭がある場合は物理的故障の可能性があり、通電継続はデータ完全消失の恐れもあります。HDDを何度も再起動する、衝撃を与える、安易にフォーマットするといった行為は避けましょう。
重要なデータが保存されている場合はデータ復旧専門業者への相談が最も安全で確実な選択肢です。
» HDDのデータを復旧する3つの方法と注意点を解説!