HDDのデータは自分で復旧できる!復旧ソフトを使う方法と選ぶ際のポイントを解説
HDDの突然の故障で大切な写真や重要な仕事のファイルが消えてしまうことに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。データ復旧ソフトを使用すれば自力で消えたデータの復旧が可能です。ただし、誤って上書き保存したり、壊れたHDDに繰り返しアクセスしたりすると、データの復旧ができなくなるリスクがあります。
この記事ではHDDデータを自分で復旧する方法とデータ復旧ソフトの選び方、ソフトの使用手順を解説します。記事を読めば削除や誤操作などの原因に応じた正しい復旧方法を理解でき、失ったHDDデータの復旧が可能です。
しっかりとHDD復旧ソフトの使い方やリスクを理解して、まずは無料体験版から始めてみましょう。
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当社A1データは日本で初めてデータ復旧サービスを提供した会社です。データ復旧業界で最も古い業界の長だからこそ、業界のすべての会社の特徴やその会社の実態を把握しています。お客様の壊れた機器の症状と損傷具合から、適切な費用がどの程度でどの業者なら治せるのかをアドバイス致します。

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専門のソフトウエアを使えば自分で簡単にHDDのデータを復旧できる

データ復旧ソフトはパソコンにインストールして使用します。HDDをスキャンし、削除されたファイルや誤ってフォーマットしたデータを検出・復元できる仕組みになっています。
ただし、データ復旧ソフトは「論理障害」の場合にのみ有効で「物理障害」には対応できません。「論理障害」と「物理障害」の違いは以下のとおりです。
- 論理障害
- HDDは正常に動作するものの、ファイルシステムやデータ構造に問題が生じている状態です。ファイルの誤削除やHDDのフォーマット、システムの不具合によるファイルの認識不良などが該当します。
- 物理障害
- HDD自体に不具合が生じている状態です。経年劣化や落下による衝撃、異音の発生、HDDの認識不良などが該当します。
物理障害の場合に無理にHDD復旧ソフトを使用すると内部の部品が損傷し、復旧不可能になるリスクがあります。論理障害であればソフトを使用して自分で復旧できる場合がありますが、物理障害が疑われる場合は専門業者に依頼しましょう。
» HDDを修理する方法は?故障の症状や注意点を解説!
データ復旧ソフトの選び方4選

初めてデータ復旧ソフトを利用する場合は、以下の4つの基準を意識して選びましょう。
- ソフトウエアの料金を確認する
- 復旧したいデータを復元できるソフトウエア仕様かを確認する
- 復旧実績やレビュー・口コミを確認する
- サポートの有無を確認する
ソフトウエアの料金を確認する
データ復旧ソフトの料金形態には「買い切り型」と「サブスクリプション型」があります。買い切り型は1度購入すれば永続的に使用でき、サブスクリプション型は月額または年額で継続的に料金を支払う形態です。
データ復旧ソフトの料金相場は5,000〜15,000円程度で、搭載されている機能によって料金は変動します。法人向けライセンスや特別機能を備えた上位版はさらに高額です。
最初から有料のデータ復旧ソフトを購入せず、まずは無料体験版で目的のデータが見つかるかを確認しましょう。
復旧したいデータを復元できるソフトウエア仕様かを確認する
データ復旧ソフトは、仕様が自分のパソコン環境やHDDが故障した原因に合っていなければ正しく動作しません。復旧の失敗を防ぐためにも、利用前にHDDデータ復旧ソフトの以下のポイントをチェックしましょう。
| 確認項目 | チェック内容 |
| パソコンの種類 | Windows対応かMac対応か |
| HDDのデータ管理形式 | NTFSやFATなど、自分のHDDに対応しているか |
| 復元したいデータの種類 | 目的のファイル形式に対応しているか |
| データが消えた原因 | トラブルに応じた復旧が可能か |
| 利用する機器 | 内蔵HDD、外付けHDD、USBメモリなど、対象機器がサポートされているか |
各データ復旧ソフトの公式サイトで仕様を調べておけば、論理障害の内容に合ったものがわかり、復旧の成功率を高められます。ただし、HDDからの異音や認識不良などの物理障害が疑われる場合はソフトウエアでは対応できないため、専門のデータ復旧専門業者への相談が必要です。
復旧実績やレビュー・口コミを確認する

データ復旧ソフトを選ぶときは、実際に利用した人のレビューや口コミを参考にすると信頼性を判断しやすくなります。データ復旧ソフトの口コミを見る際は以下のポイントをチェックしましょう。
- 公式サイトの導入事例や成功率
- レビューサイトや口コミの評価
- SNSやブログでの使用体験
- 低評価レビューの内容
自分と同じトラブルが起きている人のレビューを参考にすると、データ復旧ソフトの費用相場について参考情報を得られます。ただし、HDDの損傷状態は個々に異なるため、レビューだけで自身のデータ復旧の可能性を判断しないようにしましょう。
サポートの有無を確認する
サポートが整っているデータ復旧ソフトを選べばトラブル発生時にも冷静に対応できます。
サポート内容を確認する際は、連絡手段や受付時間、日本語対応の有無などを事前にチェックしてください。
各データ復旧ソフトの公式サイトで解説記事やQ&Aが充実しているかどうかも、安心して利用できるかを判断する要素です。
自分でできる!データ復旧ソフトの使用手順

データ復旧ソフトは直感的に操作できるよう設計されており、画面の案内に従って進めていけばデータの復旧が可能です。
データ復旧ソフトの一般的な使い方は以下のとおりです。
- HDD用のデータ復旧ソフトをダウンロードする
- データ復旧ソフトを実行する
- スキャンしたデータから復旧したいデータを選ぶ
- リカバリーや復元を選択してデータ復元を行う
- 復元したデータの保存場所を選んで保存する
データ復旧ソフトをダウンロードする
データ復旧ソフトは各製品の公式サイトからダウンロードが可能です。インストール後は画面の指示に従えば専門知識がなくてもパソコンでセットアップできます。
データ復旧ソフトを復旧したいデータが入っているHDDに直接インストールしないでください。消えてしまったファイルが新しい情報に上書きされ、二度と復旧できなくなります。
データ復旧ソフトを使った作業の基本的な流れは以下のとおりです。
- 障害が発生したHDDをパソコンから取り外す
- 復旧作業用に別のパソコンを準備する
- 障害が発生したHDDを変換ケーブルやアダプタでパソコンに接続する
- 外付けHDDとして認識させる
- 用意した別のパソコンにデータ復旧ソフトをインストールする
正しい手順で復旧環境を整えることで、データの上書きリスクを避けて安全に作業を進められます。
データ復旧ソフトを実行する

HDDデータの復旧を実行する基本的な流れは以下のとおりです。
- データ復旧ソフトをダウンロードする
- 復旧対象とは別のドライブにデータ復旧ソフトをインストールする
- データ復旧ソフトを起動する
- 復旧対象のHDDを選択する
- スキャン方法を選んで開始する
- 復旧可能なファイルを確認・選択する
- 復旧したファイルを元のドライブとは別の場所に保存する
データ復旧ソフトの初回起動時には、ログの保存先や動作に関する各種オプションの設定が求められる場合があります。データ復旧ソフトを実行する前に、画面の案内に従って初期設定を完了させてください。
故障したHDDは事前に外付けとしてパソコンに接続しておきましょう。WindowsではUSB接続の外付けHDDが「C:」以降の「D:」「E:」などのドライブ文字で表示されます。HDD復旧ソフトによってはファイルの種類や保存場所の指定が可能です。場所がわからない場合は自動検出機能で復旧候補を探せます。
HDDをスキャンする際は短時間でデータを探すクイックスキャンと、詳細にデータを探すディープスキャンの選択が可能です。
HDDの容量が大きいほどスキャンの処理時間は長くなる傾向にあります。接続インターフェースの速度や不良セクタ(※)の有無によっても所要時間が変わるため、完了まで待機してください。
※ 不良セクタとは、HDD内部でデータを正常に読み書きできない領域のこと。
スキャンしたデータから復旧したいデータを選ぶ
データ復旧ソフトによってHDD内に残された痕跡が広く検出されるため、不要なファイルまで表示されることがあります。スキャン完了後に復旧可能なHDDデータの一覧が表示されたら、必要なデータのみを選択しましょう。
復旧したいデータを特定したら、チェックボックスをオンにすると選択が完了します。復旧作業の工程を正確に実行すれば、不要なデータを復旧する手間を省いて作業効率を高められます。
リカバリーや復元を選択してデータ復元を行う

復旧対象のデータを選択したら、画面に表示されている「復元」や「リカバリー」ボタンをクリックして作業を始めます。
データの復元対象は必要なファイルだけに絞ってください。不要なデータまで選択すると処理時間が長くなるだけでなく、保存先の容量を圧迫する可能性があるためです。
データ復旧ソフトによっては元のフォルダ構造を保ったまま復元できる場合があります。フォルダごとに復元できれば整理の手間が省けるため、復旧後の管理が容易になります。
復元処理の途中でエラーが表示された場合は、データの状態悪化またはHDD復旧ソフトの対応範囲を超えていることが原因です。同じ環境でのデータ復元は難しいため、別のデータ復旧ソフトを試すか、専門業者への依頼を検討してください。
復元したデータの保存場所を選んで保存する
復旧したデータを保存する際は、消失した元のHDDとは別の場所を選ぶ必要があります。同じHDDに保存すると復旧できていない領域に新しいデータが上書きされ、残されたファイルを二度と取り戻せなくなります。
復旧したデータの保存先として以下のメディアを用意しておきましょう。
- 外付けHDD
- USBメモリ
- パソコンの別ドライブ
- クラウドストレージ
復元データの保存先を選ぶ際は、復元対象データの合計サイズを保存できる空き容量があるかを確認してください。
場合によってはファイル自体が破損していることがあります。データ復旧ソフトではファイルとして認識されている場合でも、保存後には必ず正常にファイルを開けるかを確認してください。
復元データの保存と動作確認が完了した時点でデータ復旧作業は終了となります。
データ復旧ソフト以外の自分でHDDデータを復旧する方法

データ復旧ソフトを使用せずにHDDデータを復旧する方法も複数存在します。以下におすすめの方法を紹介します。
- Windows機能を活用してデータを復旧する
- Mac機能を活用してデータを復旧する
- 外付けケースやSATA-USB変換アダプタを利用して別のパソコンからアクセスする
Windows機能を活用してデータを復旧する
Windowsで誤ってHDDデータを削除した場合は以下の機能を確認してみてください。
- ごみ箱
- 削除したファイルが残っていれば右クリックから元の場所に戻せます。
- ファイル履歴
- あらかじめ設定していれば自動保存されたバックアップから過去データの復元が可能です。
» Microsoft「ファイル履歴を使用したバックアップと復元」(外部サイト) - 以前のバージョンの復元
- ファイルやフォルダーを右クリックすると指定した日時の状態に復元できます。
» Microsoft「OneDrive に格納されている以前のバージョンのファイルを復元する」(外部サイト) - Windows File Recovery
- Microsoft公式のコマンドラインツールで完全に削除したファイルの復元を試行できます。
» Microsoft「Windows File Recovery」(外部サイト) - chkdskコマンド
- ディスクのエラーを修復するとアクセスできなくなったファイルを復旧できる場合があります。
» Microsoft「chkdsk」(外部サイト)
データ復旧ソフトを利用する前にWindowsで試せる機能から順に確認すると、費用をかけずにデータを復旧できる可能性が高まります。
Mac機能を活用してデータを復旧する

追加のソフトを導入しなくても、Macには削除したファイルや障害が発生したデータを復旧できる機能が標準搭載されています。
Macに搭載されている主なHDDデータ復旧方法は以下のとおりです。
- ごみ箱
- 削除したファイルが残っていれば「戻す」をクリックするだけで元の場所に復元できます。
- Time Machine
- あらかじめ設定しておけば任意の時点の状態にシステム全体や特定ファイルを復元できます。
» Apple「バックアップから Mac を復元する」(外部サイト) - ディスクユーティリティのFirst Aid
- HDDにエラーが疑われるときに診断と修復が可能です。
» Apple「ディスクユーティリティでMacのストレージデバイスを修復する方法」(外部サイト) - 復旧モード
- Macが正常に起動しない場合でもバックアップやディスクユーティリティを起動して復旧を試行できます。
» Apple「macOS復旧から起動する方法」(外部サイト) - ローカルスナップショット
- APFSフォーマットのHDDで自動作成されるバックアップから消えたファイルやフォルダを復元できる場合があります。
» Apple「Time Machineのローカルスナップショットについて」(外部サイト)
Macに備わっている復元機能は専門知識がない方でも操作が可能です。有料のHDDデータ復旧ソフトや専門業者に費用をかける前にMacの機能を試してみましょう。
外付けケースやSATA-USB変換アダプタを利用して別のパソコンからアクセスする
パソコン本体が故障して起動できなくても、HDD自体が無事であればデータを取り出せる可能性があります。
データを取り出すには、故障したパソコンのHDDを別のパソコンに接続してコピーする方法が有効です。正常なパソコンに接続して外付けドライブとして認識されれば、保存されているファイルやフォルダを直接コピーできます。
接続時に「フォーマットが必要です」と表示された場合は、HDDのファイル構造に原因がある「論理障害」の可能性があります。そのままフォーマットを実行するとデータが消えてしまうため、データ復旧ソフトを利用して修復を試してみてください。
HDDからの異音や認識不良が発生した場合は「物理障害」の可能性があります。自分だけで作業を続けると状態が悪化する危険があるため、速やかに専門業者に相談しましょう。
自分でのHDDデータ復旧が難しい場合は専門業者への依頼がおすすめ

HDDの状態によっては、自分だけで復旧を続けるよりも専門業者に依頼した方が安全な場合があります。
専門業者にデータ復旧を依頼すべきケースと、依頼する際に気を付けるポイントを解説します。
» おすすめのデータ復旧専門業者10選を解説!
専門業者へ依頼するべきケース
HDDに物理的な故障や深刻なデータ消失が起きているときは、専門業者に依頼する方が安全です。専門業者は専用のクリーンルームやクリーンベンチ、精密機器を用いて専門的な作業を行ってくれるためです。
以下のようなケースでは専門業者への相談を検討してください。
- HDDから異音がする
- 強い衝撃を受けた
- 焦げたような臭いがする
- パソコンに接続しても認識されない
- データ復旧ソフトで回復できない
- 絶対に失いたくないデータがある
- 自分で作業することに不安がある
専門業者に依頼する際に気を付けるポイント
専門業者は技術力やサービス内容に大きな差があるため、慎重に選ばなければなりません。安易に依頼するとデータが復旧できないだけでなく、高額な費用を請求されるなどのトラブルにつながります。
» 悪質なデータ復旧業者の手口とトラブル対処法を解説!
安心して任せられる専門業者を選ぶために以下のポイントを確認しましょう。
| 項目 | 確認すべき内容 |
| 料金体系 | 初期診断料・キャンセル料・成功報酬などが明確か |
| 復旧実績 | 過去の成功例があるか |
| 対応範囲 | HDD・SSDなどからサーバーまで幅広い機器に対応できるか |
| 専門設備 | クリーンルームやクリーンベンチなどの専用環境があるか |
| セキュリティ対策 | プライバシーマークを取得しているか秘密保持契約が可能か |
| 口コミと評判 | 利用者の声や第三者サイトの評価が高いか |
| 作業期間 | 復旧にかかる日数や納期が明示されているか |
| 納品方法 | 復旧データの受け渡し方法が安全か |
» 一般財団法人日本情報経済社会推進協会「プライバシーマーク制度」(外部サイト)
企業が個人情報や業務データを預ける場合は特に、情報漏えいのリスクを避けるためにも信頼できる専門業者を選ぶことが大切です。
» 国民生活センター(外部サイト)
データ復旧ソフトを活用してHDDデータを復旧させよう

データ復旧ソフトを活用すれば、読み書きができなくなったHDDからでもデータを復旧できる可能性があります。データ復旧ソフトは画面の案内に従ってスキャン対象を選び、復元したいファイルを指定するだけで利用可能です。
ただし、データ復旧ソフトによって対応できるデータの種類や機能、料金、サポート体制は異なります。データ復旧ソフトの利用を検討するときは製品の公式サイトやレビューサイトなどの情報を参考にして、信頼できるソフトかを確認してください。
復旧作業の可否を自分で判断できない場合は、自分だけで無理に作業せずにデータ復旧の専門業者に相談しましょう。
» HDDのデータを復旧する3つの方法と注意点を解説!