悪質なデータ復旧業者に要注意!トラブル事例と正しい対処法を解説!

  • データ復旧業者を探しているが、どこが良いかわからない
  • 悪質な業者に騙されて高額請求されないか不安だ
  • 大切なデータが本当に復旧できるのか心配

突然のHDDやSSDなどの故障で焦ってデータ復旧業者を探す方は多いのではないでしょうか。世の中には弱みにつけ込む悪質なデータ復旧業者が存在し、高額請求などのトラブルが後を絶ちません。

悪質なデータ復旧業者に依頼すると高額費用だけでなく、データの完全消失や個人情報漏えいの危険もあるため、事前に手口を知ることが重要です。この記事では悪質な業者の手口と信頼できる優良業者の選び方を解説します。記事を読めば詐欺被害を防ぎ、安心してデータを任せられるデータ復旧業者を見極められます。

データ復旧は無料診断と完全成果報酬制のデータ復旧業者を選ぶことがポイントです。正しい知識でデータ復旧業者を見極め、高額請求やデータ消失を回避しましょう。

悪質なデータ復旧業者の手口4選

データ復旧のトラブルのイメージ画像

悪質なデータ復旧業者はデータを失って困っている方の焦りを利用し、冷静な判断を妨げる手口を使います。被害を防ぐためには事前に手法を把握しましょう。悪質なデータ復旧業者が頻繁に使用する代表的な手口は以下のとおりです。

  • 大袈裟な広告で顧客の不安を煽る
  • 安く見積もりを出して後から追加請求する
  • データ復旧率を偽る
  • すべての作業を外注に委託して責任を取らない

大袈裟な広告で顧客の不安を煽る

悪質なデータ復旧業者は大袈裟な広告や宣伝文句で利用者の不安を過剰に煽り、冷静な判断をさせないように仕向けてきます。大切なデータが消えてしまう焦りにつけ込み、じっくり考える時間を与えずに契約を結ばせることが目的です。悪質なデータ復旧業者が使う不安を煽る手口は以下のとおりです。

  • 今すぐ対応しないとデータが永久に消える
  • 復旧率99%以上を根拠なく主張する
  • 本日限定の割引キャンペーンで即決を迫る

悪質なデータ復旧業者は他社と比較検討する時間を奪うため、あらゆる手段で契約を急かしてきます。広告を見かけた際はすぐに契約せず、信頼できるデータ復旧業者なのか一度冷静になって考えてください。

安く見積もりを出して後から追加請求する

電卓とノートとペン

悪質なデータ復旧業者は最初に安い見積もり金額を提示し、後から高額な追加料金を請求する手口があります。HDDなどの記憶媒体を先に送らせて顧客を逃げられない状況に追い込むことが目的です。

悪質なデータ復旧業者は低価格の見積もりで記憶媒体の送付を促した後、作業開始後に「想定より重度の障害だった」と高額な追加料金を請求してきます。契約を断ると高額なキャンセル料を請求されるため、記憶媒体に入った大切な情報・思い出を人質に取られたような形になってしまいます。

最初の見積もりが相場より極端に安いデータ復旧業者には注意が必要です。複数社から見積もりを取り、適正価格を把握してから依頼先を決めましょう。

データ復旧率を偽る

悪質なデータ復旧業者は「復旧率99%」のような根拠のない極端に高い数字を広告に使い、顧客を集めようとします。少しでも復旧の可能性が高いデータ復旧業者に頼みたいと思う顧客心理を利用しています。悪質なデータ復旧業者が復旧率を意図的に高く見せる手口は以下のとおりです。

  • 計算基準を公開しない
  • 1ファイルでも復旧したら成功扱いにする
  • 難しい依頼は計算から除外する
  • 簡単に復旧できる案件のみ受け付ける

データ復旧率の算出方法は業者によって基準が異なるため、単純な比較は困難です。90%以上といった高い復旧率を掲げる業者に依頼する際は、どのような基準で算出されたものか根拠を必ず確認しましょう。

すべての作業を外注に委託して責任を取らない

悪質なデータ復旧業者の中には自社でデータ復旧作業を一切行わず、すべての作業を別の会社に丸投げするところがあります。悪質なデータ復旧業者はデータ復旧に必要なノウハウがないため、受付と営業だけを行い、顧客から預かったHDDやSSDなどの記憶媒体を下請け業者に渡してしまいます

外注に丸投げするデータ復旧業者では責任の所在が不明確になり、進捗状況の説明も不十分になりがちです。仲介役として手数料を上乗せするため、復旧費用が相場よりも高額になる傾向があります。個人情報漏洩のリスクも高まるため、自社で一貫して作業を行うデータ復旧業者を選びましょう。

悪質なデータ復旧業者とのよくあるトラブル3選

悪質なデータ復旧業者とのよくあるトラブル3選のイメージ画像

悪質なデータ復旧業者に騙されると深刻なトラブルに巻き込まれるリスクがあります。利用者の弱い立場につけこんで起こるトラブルは金銭的被害だけでなく、プライバシー侵害の被害をもたらす恐れがあります。悪質なデータ復旧業者とのよくあるトラブルは以下のとおりです。

  • 保証や返金制度があると説明されたのに実際には適用されなかった
  • 部品交換など不要な作業を勝手に行い追加費用を請求された
  • HDDやSSD内のデータを無断で閲覧された

保証や返金制度があると説明されたのに実際には適用されなかった

「保証や返金制度がある」と説明されても実際には適用されないトラブルが報告されています。悪質なデータ復旧業者は保証の条件を自分たちに有利なように決めているからです。保証や返金制度に関するトラブルの事例は以下のとおりです。

  • 一部のデータしか取り出せなくても成功とみなされ返金されない
  • 契約時に説明がなかった免責事項を後から持ち出される
  • 返金手続きが意図的に複雑にされている
  • 診断料や作業着手金など返金保証の対象外となる費用を別途請求される
  • トラブルが発覚すると業者と急に連絡が取れなくなる

甘い言葉だけでデータ復旧業者を選ぶことは危険です。契約を結ぶ前に保証や返金が適用される条件を隅々まで確認することが、悪質なデータ復旧業者とのトラブルを避けるためのポイントです。

部品交換など不要な作業を勝手に行い追加費用を請求された

悪質なデータ復旧業者に依頼してしまい落ち込んでいる男性

悪質な業者は依頼者の弱みにつけ込み、不要な作業で料金を水増ししようとします。悪質な業者が追加費用を請求する手口は以下のとおりです。

  • 許可なく部品交換を実施する
  • 不要な作業で料金を上乗せする
  • 見積もり外の追加請求を行う
  • 高額なキャンセル料を請求する
  • 部品交換の偽装請求をする

作業内容と費用については依頼する前にしっかりと確認し、少しでも疑問に感じたら安易に契約しないことが大切です。作業開始前に書面で作業内容の承認を得るデータ復旧業者を選びましょう。

HDDやSSD内のデータを無断で閲覧された

悪質なデータ復旧業者の中には興味本位で作業に関係のないファイルを開いたり、金銭目的で重要な情報を盗み出したりする悪質な技術者が存在します。預けたSSDやHDDには個人情報や機密データが含まれているため、プライバシー侵害は深刻な二次被害を引き起こしかねません。

データの無断閲覧は許されないプライバシー侵害であり、犯罪行為となる可能性があります。個人的な写真や動画が流出したり、企業の機密情報が競合他社に売却されたりしないためにも、信頼できるデータ復旧業者を選びましょう。

信頼できるデータ復旧業者の選び方5選

信頼できるデータ復旧業者の選び方のイメージ画像

データ復旧業者を選ぶ際は悪質な業者を避けて大切なデータを守るため、慎重に選択しましょう。間違った業者選びはデータの喪失や高額請求、個人情報漏洩のリスクを招きます。信頼できるデータ復旧業者の選び方は以下のとおりです。

  • 初期診断や見積もりが無料の業者を選ぶ
  • 完全成果報酬型を採用している業者を選ぶ
  • 口コミ・評判が良い業者を選ぶ
  • セキュリティ対策がしっかりしている業者を選ぶ
  • 会社の実態が確認できる業者を選ぶ

初期診断や見積もりが無料の業者を選ぶ

データの診断や見積もりが無料であれば、正式に依頼する前に復旧の可能性や費用を把握できます。初期診断や見積もりが無料のデータ復旧業者のメリットは以下のとおりです。

  • 複数の業者から見積もりを取り料金やサービス内容を比較できる
  • 復旧できないと判断された場合でも診断料が無駄にならない
  • 見積もり内容に納得できなければ追加費用なしでキャンセルできる
  • 診断料を理由に高額な契約を迫ってくる悪質な手口を避けられる

見積もり金額に納得いかなかったり復旧が難しいと判断されたりした場合でも、無料キャンセルに対応している業者であれば金銭的な負担なくキャンセルできます。事前にキャンセル料の有無や条件を確認することで、費用に関するリスクを減らしながら、安心して任せられるデータ復旧業者を選べます。

完全成果報酬型を採用している業者を選ぶ

信頼できるデータ復旧専門業者

完全成果報酬型とはデータが復旧できた場合にのみ料金が発生する仕組みです。万が一データの復旧が成功しなかった際は作業費や診断料といった費用は原則かかりません。「復旧できなかったのに高額な費用を請求された」のようなお金のトラブルを避けられるため、依頼する側のリスクを大きく減らせます。

成功報酬型の料金体系は業者が自社の技術に一定の自信を持っている指標と考えられます。

口コミ・評判が良い業者を選ぶ

データ復旧業者を選ぶ際は公式サイトの情報だけではサービスの本当の質やスタッフの対応はわかりにくいものです。利用者の正直な感想を確認すれば、悪質なデータ復旧業者の宣伝文句に惑わされずに済みます。データ復旧業者の口コミ・評判を確認する際のポイントは以下のとおりです。

  • GoogleマップやSNSなど外部サイトのレビューを確認する
  • 悪い評価の内容と業者の対応を確認する
  • 復旧したデータの内容や料金について書かれた具体的なレビューを重視する
  • 短期間に良い評価が集中していないか確認する
  • 評価の数が極端に少なくないか確認する

公式サイトの「お客様の声」は良い内容ばかりの場合があるため、参考程度にしましょう。さまざまな視点から口コミをチェックすると本当に信頼できるデータ復旧業者を選べます。

セキュリティ対策がしっかりしている業者を選ぶ

データ復旧専門業者のセキュリティ対策のイメージ画像

記憶媒体にはプライベートな写真や連絡先、仕事の機密情報など外部に漏れてはいけない情報がたくさん入っています。セキュリティ対策が不十分な悪質業者に依頼すると大切なデータが盗まれたり、悪用されたりする危険性があります。信頼できるデータ復旧業者かを見極めるポイントは以下のとおりです。

  • ISO27001などの第三者認証を取得している
  • 秘密保持契約を締結している
  • 物理的な防犯対策を実施している
  • 官公庁や大手企業との取引実績がある
  • セキュリティポリシーを明記している

データ復旧業者を選ぶ際は公式ホームページなどでポイントを確認し、大切なデータを安心して任せられるかを見極めましょう。セキュリティ体制が整っている業者は情報管理の重要性を理解しており、顧客のデータを適切に扱ってくれます。
» 厚生労働省「ISO27001関係資料」(外部サイト)

会社の実態が確認できる業者を選ぶ

実態がはっきりしない悪質なデータ復旧業者に依頼してしまうと、大切なデータを預けた後にトラブルに巻き込まれる危険性があります。データ復旧業者の実態を確認する際のポイントは以下のとおりです。

  • 会社概要が明記されている
  • 固定電話の連絡先がある
  • 実在する住所が記載されている
  • 専門設備の有無が確認できる
  • 長年の運営実績がある

悪質なデータ復旧業者は身元を隠すために架空の住所を使ったり、連絡先を携帯電話の番号だけにしたりする傾向があります。事前に実態を調べれば、安心してデータを預けられるデータ復旧業者かどうかを判断できます。
» おすすめのデータ復旧専門業者10選を解説!

悪質なデータ復旧業者のトラブルに巻き込まれたときの対処法

悪質なデータ復旧業者のトラブルに巻き込まれた女性

悪質なデータ復旧業者とのトラブルに遭った際は1人で抱え込まず専門の相談窓口を利用してください。個人での業者交渉は言いくるめられるリスクがあり、状況が悪化する可能性があります。悪質なデータ復旧業者とのトラブルの際に相談できる窓口は以下のとおりです。

  • 日本データ復旧協会(DRAJ)に相談する
  • 警察へ相談する
  • 消費生活センターに相談する
  • 法的機関へ相談する

いずれに相談する場合でも契約書や請求書、データ復旧業者とやり取りしたメールなどの記録は証拠として大切に保管しておきましょう。

日本データ復旧協会(DRAJ)に相談する

データ復旧業界の健全化を掲げる「日本データ復旧協会」に相談することも、悪質業者とのトラブルに遭った際の相談先の一つです。日本データ復旧協会には技術力やセキュリティ、倫理観などに関する厳格な入会基準を満たした優良なデータ復旧業者が加盟しています。
» 日本データ復旧協会(外部サイト)

悪質な業者とのトラブルに関する相談や、信頼できる業者の情報提供について中立的な立場からアドバイスを受けられます。

警察へ相談する

データ復旧業者とのトラブルが詐欺や恐喝といった犯罪にあたると思われる場合は、警察へ相談してください。警察は犯罪を取り締まる専門機関なので、悪質な手口が刑事事件に発展する可能性があります。悪質なデータ復旧業者のトラブルに巻き込まれた際に警察へ相談できる窓口は以下のとおりです。

  • 最寄りの警察署にある生活安全課
  • 各都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口
  • 警察相談専用電話「#9110」(緊急性のない相談)

警察に相談する前にはトラブルの証拠となるものをできるだけ集めておくと話がスムーズに進みます。警察には「民事不介入」の原則があるため、単なるサービスの不満や契約内容の行き違いと判断されると対応できないケースもあるので注意が必要です。
» 警視庁「相談ホットラインのご案内」(外部サイト)

消費生活センターに相談する

消費者センターについて調べる男女

データ復旧業者との契約に関するトラブルは消費生活センターに相談しましょう。消費生活センターでは専門の相談員が事業者との間に入り、中立的な立場で問題解決の助けをしてくれます。全国にある窓口や消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話することで、トラブル解決に向けた具体的なアドバイスが受けられます。

消費生活センターで対応してもらえる内容は以下のとおりです。

  • 契約内容の妥当性についてアドバイスを受ける
  • 業者との話し合いを仲介する「あっせん」を利用する
  • クーリングオフ制度の適用可否を確認する
  • 類似トラブルの事例や対処法を教えてもらう
  • 適切な相談機関や専門家を紹介してもらう

消費生活センターへの相談は無料で誰でも利用できます。高額請求や説明と違う対応をされた場合など、悪質なデータ復旧業者との話し合いで解決が難しいと感じたら1人で悩まずに相談してみてください。契約書や見積書、業者とのやり取りの記録などを準備しておくと、より具体的なアドバイスを受けられます。
» 独立行政法人国民生活センター「全国の消費生活センター等」(外部サイト)
» 消費者庁「消費者ホットライン」(外部サイト)

法的機関へ相談する

法律の専門家は依頼者の代わりにデータ復旧業者と交渉したり、法的な手続きを進めたりしてくれます。法律にもとづいた的確なアドバイスがもらえて、1人で抱え込むよりも問題が解決に向かう可能性が高くなります。悪質なデータ復旧業者とのトラブルの際に相談できる法的機関は以下のとおりです。

  • 弁護士事務所
  • 法テラス(日本司法支援センター)
  • 裁判所
  • 裁判外紛争解決手続(ADR)
  • 司法書士事務所

法テラスは収入などの条件が合えば無料で法律相談ができたり、弁護士の費用を一時的に立て替えてもらえたりする制度です。60万円以下の金銭トラブルの場合は、簡易裁判所で簡単な手続きで早期解決を目指す少額訴訟という手続きも利用できます。
» 日本司法支援センター「法テラス」(外部サイト)
» 内閣府「法的トラブル解決には、『ADR(裁判外紛争解決手続)』」(外部サイト)

悪質なデータ復旧業者を避けてトラブルを未然に防ごう

信頼できるデータ復旧専門業者と顧客

悪質なデータ復旧業者とのトラブルを避けるためには事前の準備と冷静な判断が欠かせません。データが消えても慌てず落ち着いて行動し、広告の安い料金や「100%復旧」などの甘い言葉を鵜呑みにしないことが重要です。

信頼できるデータ復旧業者を選ぶには複数の業者から見積もりを取って比較し、契約前には作業内容や料金を書面で確認します。業者とのやりとりの中で怪しいと感じたら断る勇気を持ち、トラブル時の相談先も事前に調べておきましょう。正しい知識と慎重な業者選びで、大切なデータを安全に復旧させることが可能です。