RAID 0の故障からデータを復旧するには?


RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)は、複数のHDD(ハードディスク)やSSDを組み合わせて1つのドライブとして認識させる技術のことです。
そんなRAIDの中でも、最も高速化に適しているRAID 0。データの読み書きを高速に行うことが可能になるため、パソコンの作業がはかどり、ストレスの軽減にもつながるでしょう。しかし、RAID 0はメリットばかりではありません。RAID 0をうまく利用するには、デメリットも含めて理解を深めることが重要です。
ここでは、RAID 0の特徴や、障害が生じた際にどうすればいいのかをご紹介します。

RAID 0とは?

RAID 0は別名「ストライピング」とも呼ばれます。RAID 0はほかのRAIDレベルと同様、複数のHDDやSSDを使用して1つの媒体として認識させる技術で、その特徴はデータの読み書きの高速化と、保存容量の大容量化です。それでは、その特徴について詳しく見ていきましょう。

RAID 0のメリット

RAID 0のおもなメリットは次の2つです。

データ処理の高速化

1GBのデータを保存するのにかかる時間と、500MBを保存するのにかかる時間、どちらが早いでしょうか?答えは当然、後者となります。RAID 0はこの考えそのもので、1つのデータを複数のHDDに分割して保存することで、データへのアクセスを高速化させるというシステムです。
例えば、HDDを2つ使用したRAID 0の場合、RAID 0は保存したいデータを2つに分割。分割したものをそれぞれ1つずつHDDに保存するため、保存に要する時間はおよそ半分ということになります。HDDを3つ使用した場合は、データを3分割して保存するため、その時間はさらに短くなります。このようにして、データの読み書きが早くなるというわけです。

このデータへのアクセスを高速化できるというのがRAID 0の最大のメリットです。データの読み書きの速度が上がれば、使用する際のストレスもそれだけ少なくて済みますから、大量のデータを扱う人にとって、とても魅力的なRAIDレベルといえるでしょう。

RAID 0の高速化のしくみは非常に有用で、その考え方はRAID 0だけでなく、RAID 5にも活かされているため、RAIDを知る上では非常に重要なシステムなのです。

HDDの容量の大容量化

例えば、500GBのHDDを2つ使用してRAID 0を作成した場合、合計で1TBまでのデータを保存できることになります。複数のHDDを使用しているのだから当然かと思われるかもしれませんが、RAID 1の場合は同様に500GBのHDDを2つで構成しても、データ保存に活用できる容量は500GBとなります。このように、RAIDはそのレベルによってHDDの使い方が異なるため、レベルによって容量も変化します。RAID 0は、HDDの容量を最大限に使用できる構成なのです。

RAID 0のデメリット

RAID 0には、メリットばかりではなくデメリットも存在します。以下に、RAID 0のデメリットを詳しくご紹介します。

冗長性が上がらない

RAIDはRedundant Arrays of Inexpensive Disksの頭文字を取ったもので、「Redundant Arrays」は「冗長性のある配列」という意味です。つまりRAIDというのは、そもそも冗長性を高めるために複数のHDDを組むしくみなのですが、RAID 0には冗長性がありません。
RAID 0は元のデータを分割して保存しているため、1つのHDDが故障してしまうとRAID崩壊になってしまい、元のデータが取り出せなくなってしまいます。例えていうなら、ジグソーパズルのピースが半分なくなってしまい、パズルが完成しなくなってしまうのと同じです。
RAID 0のレベルが「0」となっているのは、「RAIDなのに冗長性が上がらない」という理由があるからだといわれています。

HDDの数が増えるほど故障のリスクが上がる

冗長性がなく、HDDが1つでも故障するとデータが失われてしまうということは、HDDの数が多いほどデータを失うリスクが高くなるということです。HDDの数を増やせば増やすほど高速化につながりますが、それと比例して故障のリスクが高くなるというのは、RAID 0の弱点ともいえます。

RAID 0はリビルドができない

RAIDを構成する1つのHDDが故障した際に、残りのHDDにあるデータを元にして、新しく交換したHDDにデータを復旧して元通りにする作業を「リビルド」といいます。RAID 1やRAID 5などは、どれか1つHDDが故障したとしても、理論上は問題ないように構成されているため、リビルドを行うことでデータを復旧することが可能です。
しかし、RAID 0はこれまでご説明してきたように、1つのHDDが壊れただけでRAIDが崩壊してしまい、データへのアクセスができなくなってしまうため、リビルドができません。

RAID 0のデータを復元するには

リビルドができないとなると、RAID 0はHDDが故障してしまったらお手上げなのでしょうか?
実は、ユーザーが自分でデータを復元できるかどうかは、HDDの故障の原因によります。HDDの故障の原因は、論理障害か物理障害かのどちらかです。それぞれについてご紹介します。

論理障害の場合

論理障害とは、「間違ってHDDをフォーマットしてしまい、データをすべて消してしまった」「ファイルを誤って削除してしまった」「エラーメッセージがずっと出る」「ウイルスの感染でOSが起動できない」など、メディア機器が物理的に破損しているわけではなく、内部のデータにエラーが出ている状態です。

HDDの故障が論理障害による場合は、一般のユーザーでも、市販のデータ復旧ソフトなどを使用することで、データ復旧ができることがあります。
データ復旧を行う際には、壊れたHDDがどのような状態になっているのか、原因究明を行います。そのためには一度、HDDを筐体から取り外し、パソコンに接続する必要がありますが、その際に注意すべきことがあります。

  • <フォーマットは行わない>
    HDDをパソコンに接続したときに「フォーマットしますか?」などのメッセージが出てきますが、そこでフォーマットをしてはいけません。フォーマットをしてしまうと、データがすべて消去されてしまいますので、RAIDが再構築できなくなってしまいます。
  • <リビルドを開始させない>
    取り外したHDDを筐体に戻す際には、必ず電源を切った状態で行う必要があります。電源がついている状態だと、HDDを接続しただけで自動的にリビルドが開始されてしまうことがあります。そうなると、HDDが書き換えられてしまうため、症状を悪化させてしまう可能性があるのです。
    データ復旧ソフトは、データ復旧会社に依頼するよりも安く対応できますが、RAIDの復旧には、それなりの知識が必要であるため、いい加減な判断で操作を行うことで、より自体を悪化させてしまうリスクがあります。結果的にソフト購入代が無駄になり、悪化させたためにデータ復旧会社に支払う費用が元よりも高くなってしまうという事態にもなりかねません。自信がない場合は、データ復旧会社に依頼するのが賢明です。

物理障害の場合

物理障害として挙げられるのは、HDDに強い衝撃が加わった、水漏れしてしまった、寿命による故障などです。HDDの故障が物理障害による場合は、一般のユーザーでは復旧は不可能です。HDDに必要なデータがある際は、すみやかにデータ復旧会社に修理を依頼しましょう。

RAID 0のデータ消失を防ぐには

高速化という大きなメリットがある一方で、冗長性がなく故障のリスクがあるRAID 0。故障をしたら復旧会社に依頼すればどうにかデータは戻ってきそうですが、100%とはいえませんし、お金もかかります。それでもRAID 0を利用したいという場合には、どうするのが良いのでしょうか。

バックアップを定期的に取る

基本的なことですが、RAID 0のデータを失わないようにするためには、バックアップを定期的に取ることが重要です。結局バックアップを取るなら、「RAID 0を使う必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、RAID 0の利点は読み書きの高速性です。
普段はRAID 0で高速作業を可能にし、問題が起きたらバックアップのデータを元にRAID 0を復旧する。これがRAID 0を安全に利用する方法です。

定期的に新規のHDDに取り換える

HDDには必ず寿命が訪れます。一般的にHDDの故障は3年を過ぎると増加するといわれていますので、そのころになったら新しいHDDにデータを移行するというのもひとつの手です。

データ復旧会社のサービスを利用する

RAID 0に何か障害が発生した場合の対策は、自分でなんとかしようとするのではなく、データ復旧会社に頼むのが賢明です。A1データでは、RAID復旧の専門知識を持つ技術スタッフが充実しており、豊富な経験と復旧のノウハウをフル活用しているため、安心してデータ復旧をご依頼いただけます。
A1データではHDDの論理障害はもちろんのこと、一般のユーザーには手のつけようのない物理障害にも対応します。物理障害の際にはHDDをお預かりしての復旧作業となりますが、RAID崩壊、パーティション削除、ファイル削除のような論理障害の場合は、HDDをお送りいただかなくても、リモートで復旧作業を行うことが可能です。

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