内蔵HDDが認識しない原因と解決法|データを守るための正しい復旧ステップ
- 内蔵HDDが急に認識されずデータにアクセスできない
- 内蔵HDDの大切なデータが消えないか不安になる
- 業者に内蔵HDDの診断を依頼すべきか迷っている
パソコンの内蔵HDDが認識しないと、大切なデータにアクセスできず焦ってしまいます。しかし、原因がわからないまま自己流で対処すると、データを失ってしまうかもしれません。
この記事では、内蔵HDDが認識しない原因の見極め方から自分で試せる対処法、専門業者に相談すべきケースまでを詳しく解説します。記事を読めば、内蔵HDDの障害状況に合わせた正しい対処法がわかります。
内蔵HDDが認識しない場合、まずはBIOS(※1)などで認識状況を確認しましょう。物理的な故障が疑われる際は、無理な操作をせず速やかに専門業者に相談することがデータを守る最善策です。
※1 BIOS(バイオス)とは、コンピュータやパソコンの基本的な入出力を管理するファームウェアであり、ハードウェアを初期化してOSが動作できるようにするための重要な制御プログラムです。
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内蔵HDDが認識されているかを確認する方法

内蔵HDDが認識されているかを確認する方法は以下のとおりです。
- BIOS画面での内蔵HDD名の表示を確認
- Windowsの「ディスクの管理」での状態を確認
- 「デバイスマネージャー」で一覧を確認
- 「エクスプローラー」でドライブ表示を確認
内蔵HDDの認識状況の把握が問題解決の第一歩となります。
内蔵HDDが認識しないときに試す基本の対処法6選

内蔵HDDが認識しない場合には、以下の対処法を試してください。
- 一時的な不具合を解消するためにパソコンを再起動する
- 接続ケーブルを差し直すか交換する
- BIOS画面で内蔵HDDの認識状況を確認して設定を修正する
- デバイスマネージャーから内蔵HDDドライバーを更新する
- Windowsのエラーチェック機能でファイル・システムのエラーを修復する
- バックアップがある場合のみ内蔵HDDをフォーマットして再初期化する
一時的な不具合を解消するためにパソコンを再起動する
内蔵HDDが認識しない場合、まずはパソコンを再起動しましょう。一時的なシステムの不具合を解消するために、最も簡単で効果的な対処法です。
パソコンを長時間使い続けるとメモリやシステムにエラーが生じやすくなります。再起動するとエラーがリセットされ、正常に内蔵HDDが認識される可能性があります。
内蔵HDDから「カチカチ」といった異音が聞こえる場合は、再起動してはいけません。物理的な故障が疑われる状態で再起動すると、内蔵HDDに負担をかけて状態を悪化させる恐れがあります。
接続ケーブルを差し直すか交換する

パソコンが内蔵HDDを認識しない原因として、接続ケーブルの緩みや断線が考えられます。ケーブルを差し直したり、新しいものに交換したりすることで問題が解決する場合があります。
内蔵HDDはデータ用と電源用のケーブルでパソコンと接続されており、接続が緩いと内蔵HDDは正しく認識されません。長期間の使用によって振動や摩耗、損傷などが原因で接続が緩むこともあります。
以下の手順でケーブルの接続状態を確認してください。
- パソコンの電源を切る
- コンセントから電源ケーブルを抜く
- パソコン本体のパネルを開く
- 内蔵HDDに接続されているデータケーブルと電源ケーブルの緩みを確かめる
- 内蔵HDD側とマザーボード(※2)側の両方のケーブルを差し直す
差し直しても認識しない場合は、予備のケーブルに交換して再度試してください。ケーブルの交換で内蔵HDDが認識されれば、原因はケーブルの故障であると判断できます。
※2 マザーボードとはパソコン内部で、CPUやメモリ、HDDなどすべての部品をつなぐ基板
BIOS画面で内蔵HDDの認識状況を確認して設定を修正する
パソコンのBIOS画面で内蔵HDDが正しく認識されているかを確認します。BIOSはパソコンの部品を管理するプログラムで、設定が原因で内蔵HDDが認識されなくなることがあるからです。
BIOSの設定を確認・修正する手順は以下のとおりです。
- パソコンの電源を入れる
- メーカーのロゴの表示中に指定のキー(DeleteキーやF2キー)を押してBIOS画面を開く
- 「Main」や「Storage」などの項目を探す
- 接続している内蔵HDDの型番が表示されたことを確認する
- 内蔵HDDの型番が表示されるのにOSが起動しない場合は「Boot」メニューで起動の優先順位を確認する
- 内蔵HDDが一番上に設定されていない場合は一番上に変更する
- 内蔵HDDが接続されているポートが無効(Disable)になっている場合は有効(Enable)に変更する
- 設定の変更が終わったらF10キーを押して内容を保存する
- パソコンを再起動する
- 内蔵HDDが認識されるかを確認する
「None」や「Not Detected」と表示される場合はBIOSが内蔵HDDを認識していないと判断できます。
デバイスマネージャーからHDDドライバーを更新する

パソコンの「ドライバー」の不具合や破損が原因で内蔵HDDが認識されない場合があります。ドライバーはパソコンが内蔵HDDなどの部品を正しく使うための説明書のような役割を担っています。
以下の手順でドライバーの更新を試してください。
- デバイスマネージャーを開く
- ディスクドライブを展開する
- ドライバーの更新を選択する
- ドライバーを自動的に検索する
- パソコンを再起動して確認する
- 内蔵HDDが認識されるかを確認する
ドライバーを更新すると最新のドライバーが適用され、内蔵HDDが正常に認識される可能性があります。
Windowsのエラーチェック機能でファイル・システムのエラーを修復する
Windowsに搭載されている「エラーチェック」機能は、ファイル・システムのエラーを修復する際に役立ちます。ソフトウエアの問題が原因で内蔵HDDが認識されない場合に、Windowsのエラーチェック機能で解決できる可能性があります。
内蔵HDD内部のデータ管理情報にエラーが起きると、パソコンが内蔵HDDを正常に読み込めません。エラーチェックは内蔵HDD内部のデータ管理情報を点検し、問題が見つかれば自動で修復してくれる便利な機能です。
エラーチェックを実行する方法は以下のとおりです。
- プロパティを選択
- エラーチェックを実行
- スキャンと修復を実行
コマンドを使った専門的な方法もあります。コマンドプロンプトを管理者として実行し「chkdsk [ドライブ文字]: /f」と入力すると、ファイルシステムのエラーを自動で修復できます。内蔵HDDの読み取り可能なデータの回復を試みる場合は「chkdsk [ドライブ文字]: /r」というコマンドが有効です。
内蔵HDDの容量や状態によってはエラーチェックに数時間かかる場合があるので、完了するまでパソコンの操作は控えましょう。
バックアップがある場合のみ内蔵HDDをフォーマットして再初期化する
最終手段として内蔵HDDのフォーマットを検討します。フォーマットは必要なデータのバックアップがある場合にのみ実施してください。フォーマットを実行すると、内蔵HDDに保存されている写真や書類などのデータがすべて消えてしまうからです。
データの記録方法に関する問題(ファイル・システムの破損など)が原因で内蔵HDDが認識されないときは、フォーマットによって再び正常に使えることがあります。
Windowsでデータ保存用の内蔵HDDをフォーマットする手順は以下のとおりです。
- スタートボタンを右クリック
- 「ディスクの管理」でフォーマットを選択
- ファイル・システムを選択
- 警告を確認して実行
フォーマット後も内蔵HDDが認識されなかったり「カチカチ」といった異音が聞こえたりする場合は、部品が壊れている可能性が考えられます。
内蔵HDDが認識しない原因が論理障害の場合の対処法3選

内蔵HDDが認識しない原因が論理障害(※3)の場合は、以下の方法で対処できる可能性があります。
- パーティションの問題を修復する
- ファイル・システムを修復する
- 市販の修復ツールを使う
※3 論理障害とは機器自体や部品が物理的に壊れていないにもかかわらず、ファイル・システムの破損や誤操作などによってデータにアクセスできない障害のことです。
パーティションの問題を修復する
内蔵HDDが認識しない原因として、データを区切る「パーティション」という情報が壊れている可能性があります。パーティションの問題はWindowsの機能や専用のツールを使うことで修復が可能です。
パーティションは内蔵HDDを整理するための区切りとしての役割を果たします。パーティションの情報が壊れると、パソコンはデータの場所がわからなくなり、内蔵HDDを正しく認識できません。パーティションを修復すれば、再びデータにアクセスできる場合があります。
パーティションの問題を解決するには以下の方法が有効です。
- Windowsの「ディスクの管理」
- ドライブ文字の再割り当て
- コマンドプロンプトでの修復
- 無料ツール「TestDisk」
- 市販のデータ復旧ソフト
ファイル・システムを修復する

ファイル・システムが原因で内蔵HDDが認識されない場合、パソコンに搭載されている修復機能で対応できる可能性があります。ファイルシステムは内蔵HDDの中のデータがどこにあるかを記録した住所録のようなものです。ファイル・システムが壊れると、パソコンはデータの場所がわからなくなり内蔵HDDを認識できません。
» 壊れたHDDからデータの取り出しは可能?方法と注意点を解説
修復機能で壊れたファイル・システムを修復する場合は、使用中のOSに合わせた手順で行いましょう。Windowsでファイル・システムを修復する手順は以下のとおりです。
- 「コマンドプロンプト」か「Windows PowerShell」を管理者として開く
- 「chkdsk [ドライブ文字]:/f」と入力してEnterキーを押す(ドライブ文字とオプションの間にスペースを入れる)
- 「ボリュームが別のプロセスで使用されているため、CHKDSKを実行できません。次回のシステム再起動時にこのボリュームのチェックをスケジュールしますか?(Y/N)」と表示されたら「Y」と入力してEnterキーを押す
- パソコンを再起動する
macOSの場合は以下の手順でファイル・システムを修復します。
- 「ディスクユーティリティ」というアプリを開く
- 「First Aid」を実行する
- ディスクの問題点を自動で探して修復される
» Apple support「ディスクユーティリティでMacのストレージデバイスを修復する方法」(外部サイト)
OSに標準搭載されている修復機能を使って、ファイル・システムの簡単なエラーであれば自分で直せる可能性があります。
市販のデータ復旧ソフトを使う
パソコンの修復機能で解決しない場合、市販のデータ復旧ソフトを試す方法があります。誤って消してしまったファイルやフォーマットしてしまったデータを、データ復旧ソフトで復元できる可能性があります。データ復旧ソフトは、軽度から中度のファイル・システムの破損やパーティションの消失などの論理障害に対応が可能です。
» ソフトを使って自分でHDDのデータを復旧する方法を解説!
Windowsの標準機能では見つけられないデータであっても、データ復旧ソフトのスキャン機能で特定できます。ソフトは必ず正常な別のHDDにインストールしてください。復元するデータは問題の内蔵HDDとは別の場所(外付けHDDなど)に保存します。
データ復旧ソフトは内蔵HDDから異音がしたり、不具合が疑われたりする場合は、絶対に使用しないでください。操作を誤るとデータを完全に失うリスクもあるため、データ復旧ソフトの使用は慎重に行う必要があります。
内蔵HDDが認識しない原因が物理障害の場合の対処法2選

内蔵HDDに物理障害(※4)が発生した場合の対処法は以下の2つです。
- 内蔵HDD本体の交換を検討する
- データ復旧業者に相談する
※4 物理障害とはパソコンやハードディスク、メモリなどハードウェア自体が物理的に壊れることで発生する障害です。
内蔵HDD本体の交換を検討する
物理的な故障が原因で内蔵HDDが認識しなくなった際には、内蔵HDD本体を交換する方法があります。異音や異臭する場合や落下や水ぬれにより内蔵HDDが破損した場合は、内蔵HDDの修復は困難であるためです。
壊れた内蔵HDDに保存されているデータは、通常の方法ではアクセスできなくなります。大切なデータが残っている場合は、内蔵HDDの交換作業をする前に専門のデータ復旧業者に相談してください。交換するには新しい内蔵HDDを購入する費用とOSを入れ直す作業が必要になります。
データ復旧業者に相談する
自力での修復が難しい物理障害の場合は、速やかに専門のデータ復旧業者に相談してください。異音や異臭、通電しても認識しないといったケースでは内部の部品が損傷している可能性があります。無理に操作すると状態が悪化してデータが完全に失われる恐れがあるので注意が必要です。
» おすすめのデータ復旧専門業者10選を解説!
専門設備やクリーンルームを備えた業者であれば、安全に内蔵HDDの分解や解析を行い、データ復旧の可能性を高められます。
内蔵HDDが認識しないときに避けるべき行動

内蔵HDDが認識しない際は、状況を悪化させる以下の行動を避けてください。
- 電源のオンオフを繰り返す
- フォーマット・初期化をする
- 不適切なソフトウエアを使用する
電源のオンオフを繰り返す
内蔵HDDが認識しない状態で電源のオンオフを繰り返すと、症状を悪化させる可能性があります。電源を入れると内蔵HDDに大きな負荷がかかるため、データ損失のリスクを高めてしまうからです。
内蔵HDDの内部で部品が破損している場合、電源を入れるたびに損傷が広がり、最悪の場合はデータを完全に失ってしまいます。具体的には以下の問題が起こる可能性があります。
- 部品の劣化・寿命短縮
- プラッタへの物理的な損傷
- データの完全消失
- ファイル・システムの破損
- データ復旧率の低下
フォーマット・初期化をする

内蔵HDDが認識しないときに「フォーマットする必要があります」というメッセージが表示されても、安易に実行してはいけません。フォーマットは内蔵HDDに保存されているデータをすべて消去してしまう操作で、フォーマットは内蔵HDDの中に必要なデータがない場合にのみ行う最終手段です。
内蔵HDDに問題がある場合、フォーマットを試みると状態が悪化し、完全に壊してしまう危険があります。データを取り戻したい場合は、フォーマットを行わないように注意してください。
不適切なソフトウエアを使用する
内蔵HDDが認識しない場合でも、自己判断でのソフトウエアの使用は危険です。信頼性の低いソフトを使うとかえって内蔵HDDの状態を悪化させる恐れがあります。
» 総務省「マルウェア(ウイルス等)対策」(外部サイト)
パソコンに標準搭載されている修復ソフトを試しても内蔵HDDが認識しない場合は、ソフトウエアによる修復やデータの取り出しを控えてください。データ復旧業者に依頼すると故障の診断を無料で受けられるケースが多いため、自力で修復を試みるよりも安全です。
内蔵HDDが認識しないときは正しい方法で状況を確認しよう

内蔵HDDが認識しなくなった際は、慌てずに正しい方法で状況を確認してください。電源のオンオフを繰り返すなどの間違った対処をすると大切なデータを失う可能性があるためです。まずは論理障害か物理障害かを見極めましょう。
電源のオンオフを繰り返したり、フォーマットをしたりといった状態悪化につながる行動は避けてください。大切なデータを守るためには無理に自己判断せず、専門業者への相談が最も安全です。