HDD(ハードディスクドライブ)の主要メーカーと歴史変遷


HDDのメーカーと統合の歴史

HDDの歴史

パソコンにデータを保存するために欠かせない装置であるHDD(ハードディスク)。そのサイズは、ノートパソコン用で2.5インチ(1インチは2.54センチメートル)と手のひら程度の大きさです。現在は一家に一台はパソコンがあり、そのパソコンにはHDDがつきものとなっていますが、HDDが普及するまでには、長い道のりがありました。

世界で最初の商用HDDは、1956年に出荷されたIBMのディスク記憶装置「RAMAC」といわれています。24インチの巨大なディスクが50枚搭載されたRAMACは、大型冷蔵庫2台分の巨大なサイズでした。
それだけのサイズにもかかわらず、記憶容量は4.8MB程度。今でいえば画像データを十数枚入れたらいっぱいになってしまう程度の容量しかありません。また、巨大で扱いにくい装置だったので、事務所や家庭で使われることはなく、データセンターや大企業など、広く保護された環境でのみ使用されていました。

初のHDDが登場してから十数年後、1980年代の初期頃には8インチ、または14インチのプラッタを持つHDDが登場します。しかし、装置用のラックとそれらを設置するための巨大な床スペースを必要とし、まだまだ2.5インチには遠く及びません。
小型化が進んだのは、1980年に発売されたシーゲート・テクノロジーの5.25インチHDDがきっかけといわれています。洗濯機と比べればかなり小さくなったものの、数十万円と高価だったため、オフィスの一部で使われる程度にとどまりました。

しかし、1981年にパーソナルコンピュータとして登場したIBM PCおよびその互換機が普及し始めてから、それに歩調を合わせるようにHDDの値段も下がり、Windows 95やWindows 98が発売される頃には、10GBのHDDが数万円程度まで値下がりします。
さらに1990年代半ば以降はインターネットが一般に広まり、テキストファイルや文書ファイルだけではなく、画像やビデオ、音楽などのメディアファイルもパソコンで利用されるようになります。同利用されるデータの容量が飛躍的に大きくなったため、パソコンに内蔵されるHDDも、容量が数十GB以上のものが流通し始めました。

現在ではデスクトップパソコンのHDDは1TB~3TBと大容量でありながら、価格は1万円程度とかなり安価になっています。またノートパソコンの世界では、HDDよりも高性能なSSD(ソリッドステートドライブ)への移行が進んでおり、HDDを搭載しないモデルも登場しています。

主なHDDのメーカー

かつては多くの企業が小型化を目指したHDD市場。しかし、パソコンメーカー自身がHDDを作っていたわけではありません。HDD専業のメーカーが存在し、そこから仕入れていました。

ウェスタン・デジタル(Western Digital 、WD)

アメリカのHDDメーカーです。元々は半導体メーカーであり、HDDのコントローラーチップなどの生産をしていました。しかし、HDDメーカーの買収を経て、ストレージ関連産業に本格参入します。HGSTを買収して傘下に収めることで、世界最大手のHDDメーカーとなります。「WD」から始まる型番で販売されています。
最近では、2015年10月21日にSDカードなどのフラッシュメモリで有名なサン・ディスク(SanDisk)を買収したことで、話題となっています。

シーゲート・テクノロジー(Seagate Technology)

アメリカのHDDメーカーです。1990年代から2000年代までを通して、HDDの生産量はほぼ世界No.1を維持していたメーカーです。HDDを構成する主要部分の、ほぼすべてを自社生産する垂直統合型の生産モデルを構築しているため、高い利益率を誇っています。「ST」から始まる型番で販売されています。
積極的な海外進出や買収が有名で、マックストア(Maxtor)、サムスン電子(Samsung)のHDD事業買収を経ています。

東芝ストレージデバイス

日本のHDDメーカーです。東芝のHDD事業と、富士通のHDD事業とを統合して設立された、現在では日本で唯一のHDDメーカーです。「MK」「MQ」「MH」など、「M」で始まる型番で販売されています。
2.5インチ以下の小型ドライブを得意とし、車載用のHDDや、ビデオカメラ、モバイルパソコンで利用される1.8インチのHDDでは世界トップクラスのシェアを誇ります。

HDDメーカーの歴史

1986年頃、HDDメーカー(HDDサプライヤー)は80社ほど存在していたとされます。しかし、年々廃業や統合によって数が減り、1993年には半分以下の36社まで減少します。その後2015年まで残ったのは、ウェスタン・デジタル、シーゲート・テクノロジー、東芝ストレージデバイスの3社だけです。

1956年に世界で初めてHDDを製造したIBMは、2003年に日立製作所へHDD部門を売却します。その際、日立製作所は「日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)」としてHDD部門を分社化します。しかし、経営不振によりウェスタン・デジタルに買収され、2012年からは「HGST」として子会社化しています。

1980年に5.25インチHDDを発売してHDD小型化への先鞭をつけたシーゲート・テクノロジーも、他の専業メーカーを買収して現在の地位を築いてきました。
一時期世界トップレベルのシェアを誇っていたクアンタム(Quantum)というメーカーは、2001年にマックストアにHDD部門を売却しています。マックストアは2005年にHDD世界シェア3位の大手メーカーとなりますが、2006年にシーゲート・テクノロジーと合併します。さらに、最近スマートフォン・メーカーとして有名になった韓国系のメーカーのサムスン電子もHDDを製造していましたが、2011年にシーゲート・テクノロジーへHDD部門を売却しています。

日本のHDDメーカーとしては、東芝ストレージデバイスが挙げられます。しかしながら、東芝ストレージデバイスが最初から大手メーカーだったわけではありません。かつては富士通もHDDを製造していました。
ノートパソコンに使用される2.5インチタイプのHDDにおいて高いシェアを獲得していた富士通ですが、経営悪化により、2009年、東芝ストレージデバイスにHDD部門を売却します。東芝ストレージデバイスも富士通と同じく2.5インチタイプを主力としており、現在でも小型HDDに強いとされています。2.5インチタイプでは世界トップであり、さらに小さい1.8インチタイプでは、ほぼ独占状態となっています。

多くの企業が現れたものの、たった3社にまで縮小したHDDメーカー。
最近ではタブレットやスマートフォンが普及し、SSD搭載のモデルが普及してきました。これにより、HDDの需要は減少傾向となっています。SSDメーカーも含め、さらなる業界再編が見込まれています。

ストレージのエキスパート

当社は、HDD(ハードディスク)の設計製造を行っていた経験を有しており、HDD(ハードディスク)の設計製造を行っていた技術者が在籍しております。現在は発売されていない古いHDDから最新のHDDまで知識が蓄積されています。ご使用のHDDに不安をお抱えの場合は気軽にご相談ください。

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