HDD(ハードディスクドライブ)の仕組みと主な故障原因について


HDDの構造と故障原因

近年、パソコンやブルーレイレコーダーなどの記録媒体として使われているHDD(ハードディスクドライブ)。聞いたことはあるけど、HDDってそもそも何なの?という方も結構いると思います。
HDDとはコンピューターの中でも特に重要な補助記憶装置です。アルミニウムやガラスなどの硬い素材でできた円盤に磁性体を塗り、ここに磁気ヘッドを使ってデータの記録・再生を行います。
堅牢なカバーに覆われているHDDですが、その中身はどのようになっているのでしょうか?

HDDは主に「プラッタ」「スピンドルモータ」「磁気ヘッド」「アクチュエータ」の4つの部品で構成されています。
長方形のHDDは、カバーを開くとレコードプレイヤーのような形をしています。中央部には大きな円盤(プラッタ)が位置し、円盤の両面にはレコードプレイヤーの針のような軸(アクチュエータ)が設置されています。レコードと異なり、HDDの軸には磁気ヘッドが取り付けられています。
それでは、各部品の役割と、主な故障原因についてご紹介します。

プラッタ(磁気ディスク)

データを記録する円盤部分です。通常のHDDは複数のプラッタで構成されており、それぞれのプラッタの両面、または片面にデータが記録されます。
表面に少しでもデコボコとした部分があると故障の原因となるため、高い精度の平滑性と表面硬度が求められます。また、高速回転させるので、その振動を抑制できるような高い剛性と耐衝撃性も必要です。プラッタには、硬い(ハードな)素材が求められるため、「ハードディスク」と呼ばれています。
素材はアルミやガラス、セラミックなどが選ばれますが、非磁性の素材であっても表面に記録用の磁性体を塗ることでデータを記録できるようになります。磁気のある円盤なので、「磁気ディスク」とも呼ばれます。
HDDはレコードプレイヤーと似ていると前述しましたが、レコードが「らせん状」にデータを書き込むのに対し、プラッタは同心円状にデータを記録します。プラッタの枚数が増えれば、記録できるデータも多くなります。しかし、高速回転させながらデータを記録したり読み出したりするので、むやみに多くのプラッタを入れると空気抵抗が発生してしまうなどの問題が生じます。このため、昔はひとつのHDDに対し、たくさんのプラッタを入れることができませんでした。しかし現在では、空気抵抗の小さいヘリウムでHDD内を満たすことで、ぎりぎりまでプラッタ同士の間隔を狭めることに成功し、プラッタの枚数を増やすことが可能になりました。
複数搭載のプラッタは、一緒に回転しているため、プラッタの固定位置がずれてしまうとデータの読み出しができなくなってしまいます。そのため、データ復旧におけるHDD分解処置であっても、プラッタを取り外して作業できるのは専門業者でも一部に限られます。
また、プラッタ中心部には軸受があります。これはプラッタの回転をスムーズにできるようにする役割があるのですが、環境温度の変化や長期使用は軸受の劣化につながります。軸受の劣化はプラッタの回転動作の不安定化につながり、HDD自体の故障の原因になりえます。

スピンドルモータ

プラッタを回転させるためのモータです。「HDDの回転数」について記載を見かけることがありますが、この回転数はスピンドルモータの1分間あたりの回転数です。主な回転数は4,200rpm、5,400rpm、7,200rpm、10,000rpm、15,000rpmです。
HDDには、このスピンドルモータと、アームを駆動するためのシークモータ(主にボイスコイルモータ)の2つのモータが搭載されています。
モータの稼働時間が長すぎたり、長年使い続けて劣化したりすると故障の原因になります。モータが壊れると、データの読み出しができなくなってしまいます。

磁気ヘッド

プラッタ上のデータを読み書きする小さな部品です。複数のプラッタがある場合は、そのプラッタの数だけ磁気ヘッドが存在します。プラッタの両面に記録される場合は、両面それぞれに1つずつの磁気ヘッドが存在します。
データの書き込みには電磁石の原理が応用されています。電流を磁力に変換することで、プラッタの表面の磁性体に磁力を与え、データを記録します。読み取り時には、「磁気抵抗効果」と呼ばれる現象を起こし、プラッタ上の電気抵抗が変化したのを判別して、データを読み取ります。
プラッタ表面の磁性体と、磁気ヘッドが直接接触してしまうと、故障の原因になります。そのため、ライナーと呼ばれる皮膜層によって、磁性体を覆っています。磁気ヘッドは、そのライナーの上を滑るように動き、接触を防いでいます。
使用期間が長いと、劣化によりライナーが失われてしまいます。その結果、プラッタとヘッドが接触して故障を引き起こす可能性があります。この故障を「ヘッドクラッシュ」と呼びます。
持ち運びの多いノートパソコンに搭載されていることが多い2.5インチのHDDは、振動によるヘッドクラッシュが起きるリスクが高いとされています。この対策として、稼働していないときは退避領域にヘッドを移動させたり、加速度センサーを搭載して振動を感知するとヘッドを退避させたりと、ヘッドクラッシュ対策を施したHDDも存在します。

アクチュエータ(位置決め装置)

先端に備え付けられた磁気ヘッドを、任意のトラック上に移動させるための部品です。プラッタの上を、半径方向に素早く移動します。磁気ヘッドの位置を決める装置なので、「位置決め装置」とも呼ばれます。繊細な動きをするため、この部分は、特にトラブルの原因になりやすいといわれています。強い衝撃や、長期使用の劣化の影響による故障が考えられます。

故障原因とその対処法

部品の故障の原因としては、強い衝撃や経年劣化が考えられます。落としたり、使用環境に注意を払うなど、取り扱いには気をつけましょう。また、万が一に備えるためには、定期的なHDDの交換・データのバックアップをするようにしておきましょう。
また、仮に故障したとしても、普通の空間でHDDを開封してはいけません。内部は非常に精密な構造になっており、少しのホコリやゴミが入りこんだだけでも、記録が破損したり読み込みができない状態になったりします。
万が一、故障のような症状が現れた場合には、専門の業者に相談することをオススメします。

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